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AV強要、戸惑う業界団体「信じられない」「現場で一番強いのは女優さん」 原因は高額なスカウトフィー?

withnews 9月2日(金)7時0分配信

 アダルトビデオ(AV)に無理やり出演させられる出演強要被害。社会問題としての認知度が高まる中、AVメーカーなどで構成する「知的財産振興協会」(IPPA、本部・東京)が健全化に向けて動き出している。AV女優を派遣していた芸能プロダクションの元社長が逮捕されるなど業界に激震が走る中、どう対応していくのか。同協会の事務局長に話を聞いた。(朝日新聞経済部・高野真吾)

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AVメーカー200社などで構成

――初めてIPPAの名前を聞いた人のためにも、まずはどういった団体であるか教えて下さい。

 もともとは業界のコピー品問題、海賊版対策を各メーカーの枠を超えて、連携してやっていこうとできたNPO法人です。2009年ごろから始めて、11年にNPOになりました。構成しているのは、AVメーカー200社ほどと、アダルト系のアニメやゲームの会社など約50社です。

 14年ごろからイベントの主催もしています。(AVファン感謝祭として業界発展のために開く)「ジャパンアダルトエキスポ」や作品売り上げナンバーワンを決める「AVオープン」をやっています。作品が世の中に出る前の業界団体による審査基準をあわせる旗振り役も担っています。今や業界の窓口的な存在です。

「こんなのあり得るのか」

――AVに関しては、今年3月に国際人権NGOヒューマンライツナウ(HRN)が出した調査報告書が大きな話題を呼びました。タレントやモデルとしてスカウトされた女性が、AVへの出演強要をされている、制作現場でも女性の意思に反した暴力的、屈辱的な撮影が行われていると指摘しました。

 こんなのあり得るのかというのが本音です。現場では一番強い、地位が高いのは女優さんです。次に監督、スタッフになります。女優さんをきちんとケアしていかないと、プロダクションから次に女優さんを派遣してもらえなくなってしまいます。

「業界をつぶしに来ているのかも」

――当時、複数の現役AV女優がツイッターなどのSNS上で報告書への反論を展開しました。IPPAは、「こちらの認識と違う」という声明を出すことは考えなかったのでしょうか。

 報告書が信じられない内容だったので、社会的に業界をつぶしに来ているのかもしれないという感覚に陥りました。それに対応するためにどうしようかというロジックになり、数カ月が経った。

 報告書の内容を検討するうちに、プロダクションと女優との関係については、メーカーでは見えない部分があるかもしれないと考え始めました。メーカーの団体として対処すべきだろうとなった。6月上旬にIPPAとHRN側の第一回顔合わせと意見交換を始めました。

 HRN側は、被害者から業界の話を聞いているので、「やくざがやっているんじゃないか」と思っている部分があった。私たちは、報告書を見て「ちゃんと意見交換ができるのか」という状況でした。

 顔合わせをして、HRN側から「AV業界をなくしたいのではない。制度的、システム的にきちんとし、出演強要などの人権侵害をなくして欲しい」と伝えられた。HRN側も私たちが「やさぐれた人たちじゃない」と分かってくれた。できることを進めていきましょうと言っていた時に、逮捕が起きたいのです。

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最終更新:9月2日(金)7時0分

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