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東京五輪招致不正疑惑の調査結果公表(全文1)契約内容や締結過程に違反ない

THE PAGE 9月1日(木)17時23分配信

 2020年東京五輪の招致をめぐる資金不正疑惑で日本オリンピック委員会(JOC)が立ち上げた調査チームは1日、調査結果を公表した。

【中継録画】東京五輪招致・不正疑惑の調査結果を公表

 調査チームは、外部の識者として早川吉尚・立教大学教授が座長を務め、宍戸一樹・弁護士、久保恵一・会計士の3人で今年5月に構成された。

調査報告の概要について

司会:皆さま、本日はお忙しいところ記者会見にお集まりいただきましてどうもありがとうございます。それでは、ただ今より東京2020年オリンピック招致委員会に関わるJOC調査チームの記者会見を行わさせていただきたいと思います。それでは、出席者をご紹介させていただきます。JOC調査チームの座長です。早川吉尚先生。

早川:早川でございます。

司会:同じくJOC調査チームのオブザーバー、松丸喜一郎でございます。

松丸:松丸でございます。よろしくお願いします。

司会:本日はJOC専務理事の平岡専務理事のほうにも立ち会っていただきます。よろしくお願いします。

平岡:平岡です。

司会:それでは早速、早川座長にお渡ししたいと思います。よろしくお願いします。

早川:立教大学教授で弁護士の早川でございます。今回、調査チームの座長を務めさせていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。座って、以降、ご説明させていただきたいと思います。

 昨日付でわれわれ調査チームは、こちらの調査報告書と題する報告書を1つ、そして、あくまでご説明のための便宜でございますけれども、要約版というものも用意いたしました。それからこの問題は世界的に関心が強いことから、英文のインベスティゲーションレポートという形で報告書の英訳というものも作成して、海外からの問い合わせにもお答えできるように準備をした次第でございます。皆さま、お手元にあるようでしたらば、そちらを確認いただければと思います。

 で、これから調査報告書の内容を、時間の関係もありますので、主に要約版を中心にご説明させていただきまして、それから皆さまからのご質問についてお答えしていきたいと思います。しかし、こちらの報告書を作成するにあたりまして、われわれ調査チームがどういった態度でこの調査に臨んだのかということだけははっきりさせていただきたいと思っております。

 この調査チームが5月末に設立されたわけですが、その際にもこのような機会を与えていただきました。その際に、私たちがどうしてこの調査チームのメンバーに選ばれたのかについてご質問を受けたときに、私の認識としましては、あとからも確認できましたが、私、アンチドーピングの問題に専門家として長らく携わらせていただいております。同じスポーツ法、あるいはスポーツ界の問題でも特にアンチドーピングの問題が私の専門の分野でございまして、この領域においては例えばJOCですとか、その関連団体が当事者の1人として登場することが少なからずあります。

 従いまして、ドーピングの陽性反応が出たときにそれが果たして白か黒かを決し、また制裁機関としてどのようなものがふさわしいのかを決定する、裁判官役的なパネリストというものを私ずっと務めてるわけですが、その立場から見るとJOCの方から、普段から距離を置いて独立の立場でいるということが非常に重要だと考えておりまして、その独立性というものを評価していただいて、私が今回の調査チームの座長として選ばれた。また、もう1人メンバーをつかさどりました宍戸弁護士に関しても同じくアンチドーピングに関しての規律パネルの副委員長をやっておりますので、その関係で選ばれたんじゃないかというふうに考えております。

 で、アンチドーピングの目から見ると、どのような人気の選手であったとしても、また、どのような重要なイベントの重要な役割をする人だとしても、ドーピングに関するルールに違反すればその人は必ず罰せられ、ときにはメダルを剥奪され、あるいは記録も抹消され、そして資格も停止されるということは、その人がどんな人であったとしても等しく適用されるルールになっております。で、私個人としましては、その同じ態度がIOC憲章との関係でも等しく適用されるべきだと考えておりますので、もしも、今回の招致委員会にIOC憲章に違反するようなことがあれば、場合によっては東京での招致の中止もやむなしというようなことは当然のこととして今回の調査に臨ませていただきました。その意味ではニュートラルな立場で今回の調査に臨ませていただいたつもりでございます。

 同時にアンチドーピングの観点から見ますと、なんの根拠もなくその人を資格停止にしたり、メダルを剥奪するわけにはいきません。きちんとしたヒアリングですとか、あるいは証拠の収集を経た上で、エビデンスがあるかないかを確認し、エビデンスがある場合に初めてその人を罰することができるというふうに考えております。で、その意味においてわれわれは、さまざまなこの問題に関してはうわさですとか、いろいろなストーリーが飛び交っておりましたけれども、その1つ1つについて果たしてどういうふうなエビデンスがあるのかということを極力、心掛けて調査に当たりました。従いまして、最終的にまとまった調査報告書は、そういった形で全部で34人の関係者の方々。で、その中には2回聞かれてる方もいらっしゃいますので、延べですと37回、37人の方々のヒアリングの結果として導かれた報告書ということになります。

 個々の方々についてはわれわれの調査チームと、それからヒアリング対象者の、それ以外の方が介入しない形で1つ1つの記録が取られまして、その証言の記録というものを全て並べていって、全体像がどういうふうになるのかということを明らかにしていくという作業を取ったわけであります。時に記憶違いですとか曖昧な部分があって、そこが不整合だというところもありますので、そのときにはもう一度呼び出してお話を聞くということで、全体像がさらにクリアになるように努めたということもやらせていただきました。

 また、関係者で現存してる、例えばパソコンですとかモバイルといったものの中に残っている記録というものも、デジタルフォレンジックという手法を用いまして、何かこの事件に関して関係するようなものはなかったのかということの調査も行わせていただきました。

 それから、海外の調査というものも行わせていただいたわけであります。具体的にはこの事件に関与している、あるいは関与しているということが疑われていた人物としましては、タン氏というシンガポールのコンサルタントの方、それから、セネガルに今、在住していると思われますパパマッサタ・ディアック氏という方、そして、もう1人、IAAFの会長でいらっしゃったラミーヌ・ディアック氏という方。この3人にヒアリングに応じていただけるように接触を試みました。

 で、パパマッサタ・ディアック氏に関しましては、途中まで彼の弁護士を通じてコンタクトを続けまして、インタビューに答えていただけると、ヒアリングに答えていただけるというところまでいったんですが、どういう形で答えていただけるかの条件を詰めていく過程で向こうからの連絡が途絶えまして、今現在、お話ができない状況になっております。またラミーヌ・ディアック氏に関しましては、フランスのほうでロシアのアンチドーピングの問題に絡んで一度逮捕されまして、その後、保釈はされてるということなんですが、そして、またフランスの国内から出れない状態にあるということですけれども、弁護士を通じてもコンタクトを取ることはできませんでした。

 で、タン氏に関しましては今、やはりこのドーピングの問題で行方をくらませているようでございますけれども、その代わりにシンガポールにおける現地調査を行いまして、タン氏と関係のあった方々に具体的にさまざまなインタビューを行って、いったいこのシンガポールのコンサルタント会社、あるいはタン氏というものがどういう人物であるかとか、ということの調査も行ったということでございます。

 その結果として出来上がったのが、今回の調査報告書でございますので以下、要約版のほうをかいつまんで中身について説明させていただき、それから皆さま方からのご質問にお答えしたいと思います。要約版の1ページ目の本件調査に関わる認定事実というところからかいつまんで読ませていただきます。招致委員会というものはかつて2016年のオリンピック・パラリンピックを東京に招致するために活動を行っていた法人が、名称変更しまして、で、また新たに2020年のオリンピック・パラリンピックを東京に招致しようと組織された東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会という名称の任意団体、都に権限を有する組織体でありまして、この人たちが合体して生まれたもので、国ですとか、招致都市である東京都、およびJOCをはじめとするさまざまな民間団体の出身者等で構成され、東京都の関係部局等と一緒になって東京招致を目指していたということでございます。

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最終更新:9月2日(金)16時58分

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