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7月だけでの資金流入額は約2000億円 これから始めるREIT投資は遅いか?

ZUU online 9月1日(木)12時40分配信

国内REIT型と海外REIT型の投資信託の資金流入が増えている。モーニングスター <4765> の推計によれば、2016年7月の資金流入額の合計は約2000億円で、投資信託の資金流入額の上位を独占した。

■REIT投資人気の理由は高利回りとわかりやすさ?

日本でREIT投資が好調なのには、大きく2つの理由がある。

一つ目の理由は、分配金利回りの高さだ。金利が低下すると、REITを運用している投資法人が、銀行から借り入れ資金があった場合に支払う利息が減り、運用コストが下がる。コストが下がれば、その分を分配金に回せる可能性が上がる。現状の低金利下では、REITの分配金利回りは、定期預金や国債などの利回りと比較すると、非常に魅力的になるわけだ。

二つ目の理由は、商品性と分配金利回りの高さなど特徴がわかりやすく、銀行員や証券マンにとって販売しやすい商品だ、ということだろう。「不動産に投資して、毎月の家賃収入を分配金としてもらうイメージです」と説明すれば、個人投資家にもわかりやすいため、約定につながる確率も上がる。現在パフォーマンスが良いことも、投資家からの人気を支えている理由といえそうだ。

このような背景があり、現在日本で売れている投資信託の多くはREIT型投信なのだ。残高が1兆円を超えるものもあり、日本の個人投資家にとってREIT型投信は、最も身近な投資信託の一つといえるだろう。

■急変と金利上昇はREIT投資の弱点

REITは人気が高い金融商品だが、これから投資する場合はリスクも把握しておかなくてはいけない。

一つ目のリスクは、株式以上に急変に弱い可能性があることだ。それは、株式に比べ市場規模が小さいためだ。東京証券取引所の時価総額は約500兆円だが、REITは世界の主要市場の時価総額を合計しても100兆円程度しかない。そのため、急変の際には投資家からの換金要請に対応できなくなりかねないのだ。実際にBrexitの時には、英国内の不動産ファンドが、相次いで解約停止の措置を取っている。

二つ目のリスクは金利上昇リスクだ。今までは世界的な低金利が、REITのパフォーマンスを押し上げてきた。前述のように、金利の上下は運用コストに影響するため、金利が上がれば分配金利回りが、相対的に下がる可能性がある。世界的な金融緩和は当分続くと考えられるが、米国は年内に利上げする可能性を完全には否定しておらず、日銀の金融緩和にも限界が見えてきた以上、既に過去最低レベルにある金利が上昇するリスクは、考えておくべきだろう。

■始めるなら覚えておきたい2つの注意点

では、今からREIT投資を始めるのはどうだろうか。J-REITも米国REITも、過去数年にわたって上昇を続けており、金利も過去最低水準にある今、一気に大金を投資するのはオススメできない、というのが個人的な意見だ。ただ、東証REIT指数はまだリーマン・ショック前の水準に達しておらず、上値余地はあると考えられるため、状況を見つつ少額ずつ複数回に分けて投資することをオススメする。

REITは金利と深い関係にあるため、金利の動向、特に各国の金融政策の動向には、注意が必要だ。日銀の追加緩和でもJ-REITは現状維持となるなど、米国や日本をはじめ金融政策の不透明感が高まっている以上、REIT投資のリスクも高まっていることは確かだ。今までのパフォーマンスが良かった、という理由だけで一気に投資をするのは、リスクが高いだろう。金融政策の内容をめぐって、値動きが荒くなる可能性も十分考えられる。

大金を一気に投資せず、複数回に分ける時間分散を行うこと。利回りの良さだけを見て、資産全体に占める割合を増やし過ぎないこと。今からREIT投資を始めるのであれば、この2点はおさえておきたい。(アナリスト 樟葉空)

最終更新:9月1日(木)12時40分

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281円、前日比+1円 - 9月26日 15時0分

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