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JTBとパナソニックなど、訪日外国人客の観光支援基盤を開発し実証実験へ

BCN 9月1日(木)16時49分配信

 ジェイティービー(JTB、高橋広行社長)とパナソニック(津賀一宏社長)は8月31日、訪日外国人客が4000万人と予測される2020年に向け、15年6月に開始した観光関連分野での協業の一環として、外国人客の旅程情報などを統合管理する支援基盤「Traveler Relationship Management(TRM)」を開発したと発表した。TRMの新しいサービスとして、多言語での観光案内・接客を支援する「JAPAN FITTER」と、大型手荷物を携えた外国人客の国内移動・周遊観光時の煩雑さを緩和する「LUGGAGE-FREE TRAVEL」の2つのサービスを9月から試験導入し、16年度中に商用化する。

 TRMは、言葉の壁や移動・決済などにストレスを感じることなく訪日外国人客が地方への周遊旅行を楽しめるように、JTBが保有する旅行者情報をパナソニックの専用クラウドを介して、各種観光関連サービス事業者のシステムや商品に連携させる。JTBの訪日外国人向け旅行商品予約管理・販売サイト「GENESIS」や「JAPANiCAN」に登録した外国人客に、日本滞在中の認証用ナンバーや二次元バーコードを付与。サービスを提供する事業者はTRMを経由して認証することで、宿泊先や日程などサービスに必要な情報を照会することができる。

 JTBとパナソニックは、このTRMを活用した第一弾として、「JAPAN FITTER」と「LUGGAGE-FREE TRAVEL」の商用化を目指す。「JAPAN FITTER」はパナソニックが現在、情報通信研究機構(NICT)とともに開発を進める多言語翻訳技術を用いた4か国語対応音声翻訳(日・英・中・韓)と、定型文案内を併用し、施設スタッフと訪日外国人客との直接対話による案内をサポートする「コンシェルジュ業務支援サービス」。施設内の案内や地域の観光情報などオリジナルコンテンツの閲覧機能に加えて、経済産業省がサービス産業の活性化に向けて活用を推進する観光予報プラットフォームと連携する。16年度中の商用開始に向けた実証期間として、9月1日から10月31日まで、長崎・雲仙の宿泊施設や観光案内所と、JTB協定旅館ホテル連盟インバウンド委員会の宿泊施設、新宿など都内のホテルに端末を設置。この端末を介してスタッフが訪日外国人客とお互いの日常言語でコミュニケーションを図りながら案内する。

 一方、「LUGGAGE-FREE TRAVEL」は、ヤマトホールディングス(ヤマトグループ、山と内雅喜社長)を輸送事業パートナーとし、日本語での送り状を記入不要で大型手荷物の配送受け付けと送り状発行が可能な手ぶら観光サービス。訪日外国人客の日本到着・周遊移動・帰国の際、日本語で送り状を手書きすることなく、大型手荷物を宿泊施設や空港まで輸送する。外国人客は、国内外の訪日旅行業者向け予約管理システム「GENESIS」を介して、旅前に旅程計画に応じたサービス申し込みを行い、日本で多言語対応のICT端末で手続きを行い、送り状を手書きすることなく、簡単にサービスを利用できる。

 JTBとパナソニック、ヤマトグループでは、9月1日から10月31日まで、東京都心エリアを基点に、LUGGAGE-FREE TRAVELの実証実験を実施する。GENESISで実証実験対象ホテルの宿泊を訪日前に購入する外国人客を対象として、手ぶら観光支援サービスを告知、提供する。サービス申込者には、受付用番号とバーコード付きバウチャーを発行。旅行先の日本では、専用端末に受付用番号またはバーコードを認証させることで、宿泊先などサービスの提供に必要な情報が、パナソニックが運営・管理するサーバー「Traveler Relationship Management」を経由して、ヤマトグループの宅急便送り状発行システムに送信される。受け付けをした大型手荷物の集荷や配送のオペレーションは、ヤマト運輸が行う。また、羽田空港国際線ターミナルでも、京浜急行電鉄が運営する京急ツーリストインフォメーションセンター内で、大型手荷物を預けることが可能となる。

最終更新:9月1日(木)16時49分

BCN