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ジブリ、今後は海外監督とのコラボ予定なしか「マイケルは特別」

シネマトゥデイ 9月1日(木)11時50分配信

 スタジオジブリ最新作『レッドタートル ある島の物語』の監督を務めたマイケル・デュドク・ドゥ・ヴィットが来日し、8月31日、日本外国特派員協会で会見を行った。途中、外国人記者から「今後もジブリは海外の監督とコラボレーションする予定はあるのか?」という質問が飛ぶと、会見を後ろで見ていたスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーが「マイケルは特別。彼の短編映画が大好きで、長編映画も観たくなっただけ。これをきっかけにどうこうというのではなく、こういう出会いがあれば……」と現状、積極的に進めていくつもりはないと答えた。

映画『レッドタートル ある島の物語』ギャラリー

 本作は、2000年に公開されたマイケル監督の8分間の短編アニメーション映画『岸辺のふたり』に感銘を受けた鈴木プロデューサーが長編制作を打診し、企画スタートから約10年かけて作られた作品。嵐で難破しウミガメやカニや鳥たちが暮らす無人島に流れ着いた男の姿が、セリフを用いず美しいアニメーションと音楽で描かれている。

 マイケル監督は「宮崎(駿)さんや高畑(勲)さんには美学がある」と語ると、自分の作品とスタジオジブリの作品の共通点を「繊細さ」と表現。さらに「自然への敬愛、その中にいる人間のありよう。そこを追求しているところが、自分の作品とジブリが似ているところなのかも」と分析したが、最後は「難しいことは関係なく、僕はジブリの作品が大好きなんです」と笑顔を見せた。

 『レッドタートル ある島の物語』はセリフがないアニメーション映画だが「最初の段階ではセリフが少しある構想だったのです。というのもストーリーやキャラクターの人間性を出すためにセリフは必要だと思っていたんです。しかし、セリフが少しある絵コンテや脚本をジブリに送ったら『セリフがない方がいいのでは』と提案されたんです。観客に受け入れられるか怖かったのですが、この言葉で安心しました」と経緯を語った。

 また劇中に登場する津波のシーンについて外国人記者から質問が飛ぶと「2007~2008年に構想を考えていた時からあったシーンなんです。その後(東日本大震災で)甚大な津波の被害があったことは知っています。とてもセンシティブな問題なので、ジブリにも相談しました。鈴木さんも高畑さんも慎重に議論されたようですが、ストーリーの中の重要性や、決して面白おかしく描いているわけではないという判断だったので、このシーンはそのまま描かれているんです」とマイケル監督は説明していた。(磯部正和)

映画『レッドタートル ある島の物語』は9月17日より全国公開

最終更新:9月1日(木)11時50分

シネマトゥデイ