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履正社・寺島成輝の父が明かす “ドラ1候補左腕”の育て方

日刊ゲンダイDIGITAL 9月1日(木)9時26分配信

 格下相手とはいえ、圧巻の投球だった。

 30日に台湾で開幕したU18アジア選手権。その初戦となった香港戦で、今秋ドラフト1位候補の日本代表の先発・寺島成輝(履正社)が、5回を無安打12奪三振の好投を見せたのだ。

「攻めた結果が良かった。今日は90点くらい。良かったと思う」

 日本ハムなど多くの球団が視察したこの左腕は、夏の甲子園ではベスト16止まりながら、最速149キロのストレートとテンポ良い投球を武器に「高校ビッグ3」の1人に数えられる逸材だ。

■自分の服は自分で洗濯するのが日課

 プロの複数球団が1位候補に挙げるその寺島の父親に話を聞いた。

 寺島が通う履正社高には寮がない。自宅からグラウンドまで、自転車で25分ほどの距離を通う。「結果的に『通い』で良かったですね。学校での様子も聞けますし、寮生活だとむしろ気が緩む可能性もありましたから」こう語るのは、寺島の父・明宏さん(49)だ。

「自分で言うのもなんですけど、厳しく育ててきました。野球のことはとやかく言いません。ただ、生活面において自分でやるべきことはきちんとやれ、とずっと言ってきました。高校に入学してからは、自分の服は風呂に入る前に自分で洗濯するのが日課で、試験前は勉強もしっかりやらせてきました。5段階評価の平均で『4点台後半』を取ったこともあります。まあ、勉強については、1年生のときから『プロに行きたい』と言っていましたし、高校出たら勉強することもないでしょうからね」

 母の浩江さん(49)も、寺島には厳しく接してきたという。

 寺島が高校2年くらいのとき、母に対して反抗的な態度を取った。すると浩江さんは、そういう態度なら弁当は作らない、と寺島を一喝。それから3カ月間、寺島は通学前に自分で弁当を作らざるを得なくなった。明宏さんは、「ある日、弁当を食わせてもらったら、えらく腕が上がっていました」と笑顔でこう続けた。

「自分も母親も、息子が偉そうなことを言ったら引っぱたきます。今の時代、鉄拳がどうこうと言われますから、あんまり大げさには書かないでいただきたいんですけどね(苦笑い)。どっちかの親が厳しいと、どっちかがフォローに回ったりするご家庭もあるかもしれませんけど、うちはどっちもフォローに回りません。野球の面では、自分で課題を設定し、いつまでに何を補うか、メニューを決めて鍛錬するという環境で、育てていただきました。学校と家の方針は近いものがあると思います。野球でも生活でも、自分に厳しくできないとサボリ癖がついてしまいますから」

 明宏さんによれば、「最近は、こちらからとやかく言うことがなくなってきた」とも言う。大舞台で安定して力を発揮できるのは、グラウンド内外で心身を鍛えられてきたからだろう。

最終更新:9月1日(木)9時26分

日刊ゲンダイDIGITAL