ここから本文です

非常食おいしく多彩に “おかず系”に静岡県民関心

@S[アットエス] by 静岡新聞 9月1日(木)8時15分配信

 避難生活が長期化した熊本地震を教訓に、災害時の食事への関心が静岡県内で高まっている。想定される南海トラフ巨大地震が発生すれば、外部からの支援物資が届くには、1週間程度かかる可能性がある。「防災の日」の1日に合わせ、関係者は日ごろからの備えの重要性を訴える。

 「食べない非常食から、おいしく食べる非常食へ」。静岡市清水区のエンチョーホームアシスト清水駒越店には、約100品目の多彩な非常食が並ぶ。

 売れ筋商品はサバのみそ煮や肉じゃが、ブリ大根、豚汁などの“おかず系”。乾パンではなく、ふわっとした食感で長期保存が可能なパンも人気を集めている。価格は通常食品の数倍程度するが、数年間の保存が可能。売り場担当者の一條顕伸さん(29)は「おいしい非常食があれば、避難生活のストレスを軽減できる」と強調する。

 「命をつなぐ食事には備えが大切」。県栄養士会の寺田直哉災害担当理事(42)は、普段から食事に配慮が必要な高齢者らの避難生活を心配する。

 最初に必要なのは水とエネルギーになる主食だが、避難生活が長期化すれば、タンパク質やビタミン類、鉄分などをバランス良く摂取しないと、慢性疲労や体調不良を招く。寺田理事は「高齢者の場合、非常食が硬く飲み込めないというケースも出てくる」と指摘、「災害時に食べるものを、平常時に試食し、各自に適した食事を用意することが大事」と呼び掛ける。

 「日常の食卓に少しだけ防災の工夫を」。県が推奨するのは、保存性のある食料を日ごろの食事から利用し、食べた分を買い足して補うローリングストック。県危機情報課班長で女性防災研究会「なでしこBOSAIパワーズ」メンバーの油井里美さん(49)は「非常食と、レトルト食品やインスタントラーメン、乾物、根菜類などとの組み合わせを考えて」とアドバイスする。

 災害後、建物が無事なら、避難所に行かず自宅にとどまった方が普段通りの生活を続けられる。油井さんは「停電しても冷蔵庫に入っている物を、保存可能期間から優先順位を付けて食べていけばいい。日ごろから頭の片隅で災害時をイメージすることが、防災対策につながる」と訴える。

静岡新聞社

最終更新:9月1日(木)8時15分

@S[アットエス] by 静岡新聞