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配偶者控除廃止 「1兆円大増税」年収別シミュレーション

日刊ゲンダイDIGITAL 9月1日(木)9時26分配信

 30日、自民党の宮沢洋一税調会長が専業主婦世帯の税負担を軽減する「配偶者控除」の廃止を表明した。「働き方改革」の一環で、女性の労働意欲を税制で後押しするため、などとしているが、内実はサラリーマン大増税である。

■専業主夫世帯は地獄

 配偶者控除は配偶者がいる世帯の課税所得を減らし、所得税や住民税の負担を軽くする仕組み。妻の年収が103万円以下であれば、その世帯が払う所得税額を決める夫の所得から38万円を差し引くことができる。配偶者控除をなくし、いわゆる「103万円の壁」を取り払うことで、女性の働き手を増やす狙いがあるという。が、これは増税のための口実だ。

 元静岡大教授で税理士の湖東京至氏が言う。

「配偶者控除の廃止は、財務省の新たな財源探しから出てきたシロモノです。自民党税調は、専業主婦世帯でも共働き世帯でも一定の控除が受けられる『夫婦控除』の創設を想定しているそうですが期待すると痛い目に遭うと思います。新しい控除がどうなるのか、まだ具体的に示されていない。世帯全体の控除を下げ、結果的に増税に持っていくのは目に見えています」

 配偶者控除がなくなると一体、どれくらいの増税になるのか。配偶者控除額は所得税38万円、住民税33万円。これらの控除額に5~45%の所得税率をかけたものが増税額となる。夫の年収が500万円の専業主婦世帯は、約7万円の負担増だ。現在、配偶者控除の適用を受けている納税者は約1500万人。廃止により、全体で1兆円以上の増税になる計算だ。年収別シミュレーションは表を参照。

「配偶者控除を利用する納税者の約9割はサラリーマン。ですから、税金を取りやすいサラリーマンを狙い撃ちにした増税ということになります。しかも、配偶者控除は出産や育児をきっかけに妻が仕事を辞め、子育てに専念するために利用するケースがほとんど。それを廃止するのは、安倍政権が掲げる子育て支援策とも大きく矛盾します」(湖東京至氏)

 配偶者控除は、早ければ2018年1月にも廃止される見通し。

最終更新:9月1日(木)9時26分

日刊ゲンダイDIGITAL