ここから本文です

創業、事業進出支援へ 国、設備投資費2/3補助 避難区域12市町村内

福島民報 9/1(木) 10:29配信

 経済産業省は東京電力福島第一原発事故で避難区域が設定された福島県12市町村での創業や、他地域からの事業進出に特化した初の補助制度を新設する。必要な設備投資費の3分の2を補助し、避難区域や旧避難区域での事業活動や投資を活性化させる。来年3月までの居住制限、避難指示解除準備両区域の解除などを見据え、商工業基盤の再構築や被災事業者の生業(なりわい)の再建につなげる。
 制度の詳細は今後詰めるが、各市町村の復興計画に沿って小売りや飲食、製造などに新規に乗り出す中小企業・個人事業主の利用を想定している。土地・建物の取得や新築・改築、備品購入などにかかる費用が対象。1件当たりの上限額を数100万円程度とする方向で県などと協議している。
 起業・進出に踏み出しやすい環境を整備するため、区域内で利用可能な物件を紹介するほか、物件データベースを構築する。創業意欲を高めるセミナーも開く。
 秋の臨時国会に提出する補正予算案に1億5千万円を計上する。予算成立後、早ければ年内にも申請を受け付ける考えだ。
 避難区域の中小企業や個人事業主に対する支援制度には「原子力被災事業者事業再開等支援補助金」がある。ただし、交付対象は東日本大震災と原発事故時に区域内で営業していた企業などに限られている。
 工場や物流施設、宿泊施設などを新たに整備する際に活用できる「自立・帰還支援雇用創出企業立地補助金」は新規雇用を条件とするなど、これまでの政府の支援策は事業再開や雇用創出に主眼を置いており、新規に起業や進出を考える中小企業や個人事業主向けの支援制度が必要との声も上がっていた。
 福島相双復興官民合同チームが12市町村の約8千事業者に行った事業再開に関する意向調査では、回答した約4千事業者のうち、「将来の事業再開は難しい」「再開しない(廃業)」との回答が22%に上った。避難区域の商業機能回復には既存事業者の再開支援だけでなく、新たな活力を呼び込む仕組みが必要と判断した。
 ただ、既に避難指示が解除された市町村では、顧客となる住民の帰還が思うように進んでいない。補助制度を利用した事業者の地域定着を後押しする仕組み作りも課題になるとみられている。

福島民報社

最終更新:9/1(木) 11:14

福島民報