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「7両4ドア」だけじゃない---日比谷線の新型電車「13000系」の特徴

レスポンス 9月1日(木)12時45分配信

東京地下鉄(東京メトロ)が8月31日に千住検車区(東京都荒川区)で報道公開した、日比谷線の新しい電車「13000系」。「18m級8両編成」から「20m級7両編成」へ、「片側3・5ドア混在」から「片側4ドア統一」への変更という、日比谷線の運用形態を大きく変える車両になるが、それ以外にも注目点が多い。

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■初代車両のコンセプト踏襲

日比谷線は、前回の東京オリンピックの開催を控えた1961年から1964年にかけて開業。このとき導入された3000系電車は「東京オリンピックに向けて近代的かつサービス向上を図った車両」として開発された。

こうしたことから東京メトロは、2020年に開催される予定の東京オリンピックに向けた車両更新となる13000系についても、3000系の設計コンセプトを踏襲。さらに「霞が関、虎ノ門等の行政・ビジネスの中心街や銀座、六本木等の観光スポットを持つ都会的で洗練されたイメージ」を持たせつつ、3000系や現在の03系電車の「系譜」を引き継いだデザインにしたとしている。

■モーターは「0.5M」に

従来の日比谷線用の電車が8両編成だったのに対し、13000系は1両少ない7両編成に。今回公開された13101編成の車両番号(号車番号)は、中目黒方から13101(7号車)+13201(6号車)+13301(5号車)+13401(4号車)+13501(3号車)+13601(2号車)+13001(1号車)となっている。

現在の03系がモーター付き4両とモーター無し4両であるのに対し、13000系は全ての車両がモーター付き。ただし、1両に4軸ある車軸のうち2軸のみモーターを設けた「0.5M方式」で、実質的にはモーター付き3.5両とモーター無し3.5両になる。モーターは各車両の端部に近い側の車軸に設置されている。

■「近未来的」なデザイン

車体は全アルミ合金製。1両の長さは20mで、従来の日比谷線用の電車より約2m長い。このため、1編成の長さは8両編成の従来車とほぼ同じだ。ドア数も03系の片側3・5ドアに対し、通勤電車の標準となっている片側4ドアに統一した。

定員は先頭車が140人(座席45人)、それ以外の車両は151人(同51人)で、1編成全体では03系より約20~30人少ない1035人になる。

■ガラス多用で「開放的」な空間に

客室は天井や荷物棚に間接照明を採用し、「眩しさを軽減させつつ適切な照度を確保」したという。また、「開放的な車内空間」を実現するため、車両と車両が連結している部分の大型ドアや荷物棚、座席脇の仕切りにガラスを採用したとしている。

座席は全てロングシートだが、一人あたりの座席幅を現在より10~20mm拡大して460mmにするなど、座り心地を改良する。

ドア上の車内案内装置は、17インチワイド画面の液晶ディスプレイを三つ横に並べた。乗換案内や駅設備案内の多言語化(日本語・英語・中国語・韓国語)を図るなど「より多くの情報を提供」するとしている。

このほか、放送装置にステレオ放送システムを採用。車椅子やベビーカーなどに対応したフリースペースを全ての車両に設置する。車内Wi-Fiも本年度から順次導入する予定だ。

■狭軌車両初の片軸操舵台車

駆動システムに永久磁石同期モーター(PMSM)を採用しており、03系に比べ約25%の消費電力削減を見込む。制御装置はIGBT-VVVFインバーター方式で、一つの制御装置で一つのモーターを制御する。13201・13601の制御装置は4群、13401の制御装置は6群だ。

台車はボルスタ付き片軸操舵台車(モノリンク式)を採用し、カーブ通過時の振動や騒音の軽減、乗り心地の向上を目指す。2本のレール間の幅(軌間)が1067mmの狭軌車両に片軸操舵台車を採用するのは、これが初めてという。

■ATO導入に向けた準備も

保安装置は自動列車制御装置(ATC)のほか、東武鉄道伊勢崎線(東武スカイツリーライン)への乗入れに対応するため、東武型の自動列車停止装置(ATS)も搭載している。

このほか、13101・13102編成は自動列車運転装置(ATO)を導入するためのスペースを確保。13103編成以降はATOを搭載する予定だ。定位置停止検知や誤開扉防止、車両特性学習などの機能が付く。

■03系より2編成多い導入

13000系は本年度から2020年度にかけ、308両(7両編成44本)が順次導入される予定。このうち42本が03系の置換用になるが、残り2本は運用形態の変化に伴う純粋な増備だ。

このほか、日比谷線に乗り入れている東武鉄道の20000系電車なども、13000系と同じ仕様の70000系電車に置き換えられる予定だ。13000・70000系への置換えが完了すれば、ドアの数や位置が統一され、ホームドアの設置が容易になる。日比谷線のホームドアは2020年度から2022年度にかけて導入される予定だ。

《レスポンス 草町義和》

最終更新:9月1日(木)12時45分

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