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欧州委によるApple追徴課税を機に「米国の法人税改革が進展」か 米財務長官が示唆

ITmedia ニュース 9月1日(木)14時12分配信

[AP通信] ジェイコブ・ルー米財務長官は8月31日、Appleへの145億ドル以上の追徴課税を命じた欧州委員会の決定を批判した。一方で長官は、今回の決定を機に、米議会でこう着状態にある法人税改革をめぐる議論がようやく進展するかもしれないとの期待も示している。

 オバマ政権はまだ税制改革案を議会で通せずにいる。だがルー長官によれば、欧州委員会が30日にAppleへの追徴課税を発表したことを受け、民主と共和両党が不満を表明しており、これを機に議会が税制改革に向けて動き出す可能性があるという。

 「私の在任期間中ではないにせよ、次期政権の早い段階で動きがあるのではと期待している」と長官は語る。

 欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は30日、アイルランド政府が10年以上にわたりAppleに適用していた税優遇措置は違法だとして、同政府に対し、Appleに約130億ユーロ(約145億ドル)を利子付きで追徴課税するよう命じた。Appleとアイルランド政府はこの決定に異議を申し立てる意向を明らかにしている。

 ルー長官はEUの決定について、「米国の税基盤に手を伸ばし、米国の課税対象となるべき所得に課税しようとしている」と指摘。EUが米国の大手企業に狙いを定めるのは今回が初めてではないという。

 「EUは明らかに米国企業に焦点を合わせている。幾つか大きな決定で米国の税基盤を狙い撃ちにしている」とルー長官。

 今回の決定を受け、米議会でも激しい反発が起きている。チャールズ・シューマー上院議員(民主党、 ニューヨーク州)は、EUの決定を「米企業と米国の税基盤を標的にした、欧州委員会による卑劣な金銭強奪だ」と批判。米下院歳入委員会のケビン・ブレイディ委員長(共和党、テキサス州)は「露骨な税金の略奪だ」と指摘し、米議会が税制改革に向けて行動を起こす必要性が浮き彫りになったと述べている。

 ルー長官によれば、オバマ政権はまだ税制改革案を議会で通過させられずにいるが、進展がないわけではない。「米国外での利益にも課税できるような方向で税制をどう改革すべきかについて、超党派の合意が形成されつつある」と長官は語る。

 現行法では、米国を本拠地とする多国籍企業は全世界で上げた利益に対し最高35%の法人税を課されるが、外国政府への納税分は控除され、資金を米国内に持ち込むまでは課税されない。その結果として、米国企業が海外に滞留させている課税対象外の利益は推定2兆ドルに上るとみられている。

 増加の一途をたどるこうした海外滞留金の問題について、米議会は何年も前から審議しているが、法人税改革をめぐる民主党と共和党の議論は現在こう着状態にある。

 ルー長官の発言は、今週末に中国杭州市で開かれる主要20カ国・地域(G20)首脳会議を前にシンクタンクBrookings Institutionで講演し、G20でのオバマ大統領の目標について概略を語った際のもの。

 長官によれば、オバマ大統領は在任中最後となるG20サミットの場で、各国首脳に対し、停滞する世界成長の押し上げへの注力に加え、グローバル化から取り残されたと感じている人たちへの配慮を呼びかける方針だという。

 「強力で、持続可能で、かつ均衡のとれた世界経済の成長を目指す中で、G20諸国は経済成長の恩恵を社会の全ての層が広く享受できるようにするために一層努力する必要性を忘れてはならない」と長官は語る。
(日本語翻訳 ITmedia ニュース)
(C) AP通信

最終更新:9月1日(木)14時12分

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