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サッカーに破格の投資 選手輸出による外貨稼ぎ狙い? =北朝鮮

聯合ニュース 9/1(木) 18:29配信

【ソウル聯合ニュース】北朝鮮がサッカー代表チームに少なくとも数億円規模の投資をしていることが、ノルウェー紙「VG」が行ったヨルン・アンデルセン北朝鮮代表監督へのインタビューで明らかになった。

 北朝鮮はアンデルセン監督に年俸として韓国ウォンで10億ウォン(約9200万円)以上を支給し、数億ウォンをかけて海外チームとの親善試合を行っている。来月には欧州での合宿まで計画しているとされる。

 ◇アンデルセン監督の招へいに数億円か

 アンデルセン監督は昨年11月末に北朝鮮側から代表監督の要請を受けたという。「北朝鮮について何も知らなかったため困惑した。要請を受けてからドイツ・ミュンヘンで3、4回、北朝鮮関係者と会った」と話した。

 その後、今年4月半ばに監督を引き受けることを伝え、5月1日に北朝鮮に入った。

 平壌市内の最高級ホテル、高麗ホテルの30階にある一室が宿舎として提供された。インターネットは自由に利用でき、運転手や秘書、通訳がついているという。

 アンデルセン監督の年俸は少なくとも数十億ウォン台とみられる。

 元ノルウェー代表のアンデルセン監督は、ドイツ・ブンデスリーガで得点王になった経歴を持つ。こうした指導者との契約には少なくとも数十億ウォンの年俸が必要だ。

 北朝鮮の生活条件が良くないことを踏まえると、アンデルセン監督の年俸は最低でも10億ウォン以上と予想される。

 ◇強化のきっかけは屈辱のフィリピン戦

 北朝鮮の投資はアンデルセン監督の招へいだけに集中しているわけではない。

 北朝鮮はワールドカップ(W杯)ロシア大会アジア2次予選での敗退後からサッカーへの投資を積極的に進めている。

 今年3月、アジア2次予選のフィリピン戦で衝撃的な敗北を喫した。試合終盤に同点ゴールを許したのに続き逆転ゴールを決められ、最終予選進出を逃した。

 まさかの2次予選敗退に衝撃を受けた北朝鮮はキム・チャンボク監督を更迭し、海外に目を向けた。

 アンデルセン監督は1991年のチェルナイ・パール監督(ハンガリー出身)に続き、北朝鮮が迎えた2人目の外国人監督となった。

 北朝鮮代表チームはアジア最大級の競技場「綾羅島メーデー・スタジアム」(15万人収容)をホームとして使用している。

 北朝鮮は海外チームとの親善試合に積極的なアンデルセン監督の要請もあり、8月16日にマレーシアでイラクと2試合、同24日には中国・上海でアラブ首長国連邦(UAE)と親善試合を行った。

 アンデルセン監督は「残念な点があるとすれば試合の機会が少ないこと。今後は2か月に1回は国際Aマッチの試合を行う」と話している。

 10月にはドイツかオーストリアで合宿を行う計画だ。欧州での合宿には数千万円近くの費用がかかるとみられる。

 ◇大盤振る舞いは選手の輸出が目的か

 北朝鮮が10月に予定している欧州合宿は、自国の選手を欧州のクラブチームにアピールする場になる可能性が高い。

 アンデルセン監督は「北朝鮮にはテクニックに優れた選手が多い。もう少し成功のチャンスを与えたい」と話した。

 また、「北朝鮮サッカー協会はより多くの選手が海外で活躍することを望んでいる。韓国選手が欧州のビッグリーグで成功している姿を見て北朝鮮の選手も可能性があると自信を持ったようだ」と説明した。

 さらに、アンデルセン監督は具体的な海外クラブチームの動きも伝え、イタリアなど複数の欧州クラブチームが北朝鮮の選手に関心を示したが、該当する選手がまだ18歳に満たないため契約できなかったと話した。

 北朝鮮が海外で親善試合や合宿を行うのは極めて異例で、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長がサッカーへの投資を直接指示した可能性が高い。

 北朝鮮は選手の輸出により得られる外貨で投資費用を相殺できると判断したようだ。

 実際に、MFのチェ・ソンヒョク選手が今年3月、イタリア・セリエAのフィオレンティーナの下部チームに入団した。しかし、5月にイタリア議会がフィオレンティーナとチェ選手の契約は国連の対北朝鮮制裁に反するのではないかと政府に質疑書を提出したためクラブ側はチェ選手を放出した。

 一方、核実験や弾道ミサイル発射を強行し、深刻な人権侵害が指摘されている北朝鮮のサッカー代表監督を引き受け非難されていることについて、アンデルセン監督は「他人がどう思おうが気にしない。北朝鮮は国際サッカー連盟(FIFA)の一加盟国にすぎない」と一蹴した。

 金党委員長に会ったことがあるか問われると、「ない。私がなぜ金党委員長に会わなければならないのか分からない。私はサッカーをしに来ただけだ」と答えた。北朝鮮の政治については「話したくない」と回答を避けた。

最終更新:9/1(木) 19:12

聯合ニュース

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