ここから本文です

高畑勲「非常に優れた作品」、ジブリ初の日仏合作「レッドタートル」に太鼓判

映画ナタリー 9月1日(木)20時33分配信

長編アニメ「レッドタートル ある島の物語」の完成披露舞台挨拶が本日9月1日、東京・TOHOシネマズ 六本木ヒルズにて行われ、監督のマイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット、アーティスティック・プロデューサーの高畑勲、プロデューサーの鈴木敏夫が登壇した。

【この記事の関連画像をもっと見る】

スタジオジブリが製作した本作は、無人島に漂着し、脱出できず絶望的な状況に追い込まれた男と、彼が出会う1人の女との交流を描く日仏合作アニメ。構想10年・制作8年の歳月を経て完成した作品で、第69回カンヌ国際映画祭ある視点部門にて特別賞を受賞している。

デュドク・ドゥ・ヴィットに長編の制作を提案したという鈴木は「ちょっとした出来心で、マイケルが長編を作ったらどうなるかと思い、声をかけたんです。あれから10年、こんな大ごとになりました。自分でもびっくりしてます」とコメント。「役職の名前は立派なんですけど、そんな役割はできていない」と前置きをした高畑は「できあがる途中の作品を観て意見を返していく面白い経験だった。やり取りができて幸せだった」と制作時を振り返る。

短編作品「岸辺のふたり」をはじめデュドク・ドゥ・ヴィットの監督作が大好きだという高畑は「彼は1人で作ってきた。それらは大変素晴らしい作品なんですが、チームで作る長編をやれるか心配や不安があった」と述懐。高畑が「制作中は不安もあったが、できあがった作品を観て大変うれしかったし、感心しました。非常に優れた作品が完成した」と続けると、デュドク・ドゥ・ヴィットも「作品に誇りを持っている。スタッフが作品を形にしてくれた。おもにフランスとベルギーで作ったが、高畑さん、鈴木さんのことを考えない日はなかった。私の中で大きな存在だった」と思いを語った。

高畑の助言を長編制作の条件に提示したデュドク・ドゥ・ヴィット。その理由を聞かれると「(高畑は)長編アニメーションにおける豊かな経験を持っている方。作品のためになることは明らかだった。技術的な側面においての助言だけでなく、複雑であり繊細な物語を紡いでいくためにも高畑さん、鈴木さんのフィードバックをいただきたいという気持ちだった」と返答する。

制作期間の10年間は「想像以上にあっという間だった」という鈴木は「長く長く10年という歳月をかけてマイケルは最後までがんばってくれた。僕としてはうれしく思う」とデュドク・ドゥ・ヴィットに思いを伝える。また鈴木は、デュドク・ドゥ・ヴィットがジブリのスタジオを訪れ、宮崎駿と会ったことに触れ「宮崎監督は『10年間くじけないで最後までがんばった。それに対して敬意を払う』と彼らしい言い方をしていた」とそのときの様子を明かした。

最後に観客へのメッセージを求められたデュドク・ドゥ・ヴィットは「ヨーロッパで作った作品ですが、常に日本のことを念頭に置いていました。皆さんに気に入っていただけることを強く望んでいます」と述べ、イベントの幕を引いた。

「レッドタートル ある島の物語」は、9月17日より全国ロードショー。

最終更新:9月1日(木)20時33分

映画ナタリー