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【インタビュー】Rayflower短期連載第二弾、IKUOが語る「同じベース演奏は2度とない」

BARKS 9月4日(日)8時26分配信

Rayflowerが8月24日、初のライヴCD『TOUR 2015~Color & Play~@品川ステラボール』をリリースし、ツアー<Rayflower TOUR 2016 ~Bloom Moment~>初日公演の火蓋を切って落とした。バンドサウンドが生身をさらす“ライヴ”を題材に、メンバー個々の実績に裏打ちされた圧倒的なテクニックを有するバンドの魅力を改めて解き明かすべく、パーソナルインタビューを5週連続でお届けしたい。

◆IKUO (Rayflower) 画像

特集初回の都啓一に続いて、第2週目にお届けするのは、Rayflowerの超絶ベーシスト・IKUOパーソナルインタビューだ。「ライヴ盤はあくまで品川ステラボールでのテイクであって同じ演奏は2度とない」と言うIKUOに、単音楽器だからこそ自由度が高いというベースの可能性、Rayflowerでプレイすることの楽しさについて語ってもらった。バンドのベーシストとして、ソロとして、サポートミュージシャンとしてもひっぱりだこ。インタビューでは精力的に活動し続けるIKUOも根本的には永遠のバンドキッズであることが浮き彫りになった。

   ◆   ◆   ◆

■予定調和のライヴなんて何も面白くない
■だからバンバン攻めていくんです

──初のライヴアルバム『Tour 2015 ~Color&Play~@品川ステラボール』がリリースされましたが、昨今ライヴ盤って珍しいですよね。

IKUO:そうですね。都さんの提案があって実現したんですが、初のフルアルバム『Color&Play』はメンバーがそれぞれ楽曲を持ち寄って、初めてバンドらしい作り方をした作品だったんですね。本来は普通のことなんでしょうけど、Rayflowerはアニメのタイアップありきで始まって、当初はライヴをやっていなかったのが月日を経てどんどんバンドらしくなっていったので。

──だからこそ、本当の意味でバンドになったツアーのライヴ音源を出しておきたかったんでしょうか。

IKUO:それとRayflowerは経験を積んだ百戦錬磨のメンバーが集まっているので、音源とライヴでの演奏が別モノだったりするんですよ。僕のベースに関して言うと毎公演、違う。ヴォーカルはフェイクを入れなければメロディや歌詞は決まっているし、ギターはパワーコードのキメがあったり、伸ばすところは“ジャーン”じゃないですか。“ジャーン”を“ジャジャジャッ”って刻んだら曲が変わってしまう。ところがベースは、基本単音楽器なのでルート音さえ押さえたら何とでもなるんですよ。“ドド”って弾くところを“ドブ~ン”って弾いても通用する。それが僕のベースに対する持論なんです。

──ご自身のバンドでもサポートで弾く場合も基本スタイルは一緒ですか?

IKUO:一緒です。特にRayflowerはライヴが面白いバンドだと思うんですよ。演奏もパフォーマンスも含めてレコーディングした音源よりパワフルだし。今回のように映像ではなく音に集中して聴いてもらえるのは僕みたいなベースのスタイルだと、より伝わりやすいかなと。レコーディングでは作曲、アレンジとメンバーがしっかりディレクションして作っていくんですが、ライヴは無法地帯なんです(笑)。例えば、田澤の後ろで僕がバリバリ弾いたとしても「IKUOさん、そこは俺の歌を聴かせたいので、おとなしくしてください」とか言われることがないので(笑)。

──アドリブに対応できるメンバーが揃っているということですよね。

IKUO:やりたい放題(笑)。もちろんサポートの仕事はそうもいかないところがあるんですけど、予定調和のライヴなんて何も面白くないじゃないですか。だから、バンバン攻めていくんですけど、それができるのは田澤の歌が圧倒的だからなんですよ。西川くん(T.M.Revolution)の後ろで弾いていいるときも何をやろうが“俺の歌は負けませんから、どうぞご自由に”って感じで。田澤くんも自分の歌に自信を持っているから、NGは出ないんだと思うんです。

──「IKUOさん、そこ弾きすぎ。歌いづらいですよ」って言われないという。

IKUO:そうなんですよ(笑)。もちろん空気は読んでますけど。

──ベースソロがフィーチャーされている楽曲もあるし、IKUOさんの超絶プレイが存分に聴けるのがRayflowerでもありますからね。

IKUO:そこは単音楽器の面白さを表現したいというのがあるんです。Sakuraさんもライヴドラマーというか、感情に任せて叩くタイプでフリーダムなスタイルなので、音源と違うことをしたりするんです。‘70年代とか昔のロックってガチガチにシーケンスとかで固めたサウンドではなく、もっと自由度が高かったと思うんですね。Rayflowerは今の時代のアプローチも取り入れつつ、ドラムとベースはアドリブ感がある。例えばYUKIちゃんは丁寧にしっかりと弾くパワーコード中心のメタルギタリストなんですけど、そこに僕やSakuraさんの‘70年代的プログレテイストが入ってくるバランスが面白いところなんじゃないかと思います。

■結成時は「スターの人たちってどんな感じだろう」と
■僕にはそういう冠がないという引け目もあって

──全員が主張しまくっているのに、バランスよくまとまるのは何かコツがあるんですかね。

IKUO:やっぱり歌と楽曲が良いからじゃないですかね。僕から見たらRayflowerの曲はシンプルなんです。メロディラインも奇をてらってないし、ある意味、古き良きじゃないですけど、変に流行りのものに寄せていない潔さを感じるんですよね。歌詞が立っていて田澤の歌がすごく抜けて響くアプローチの曲が多いし、例えば都さんの曲はシンプルな分、プレイヤーの個性が出せるし、主張もできるし、パフォーマンスもしやすい。だから「Rayflowerってステージングも派手だよね」って言われるんだと思います。

──なるほど。余白があるっていうことですね。

IKUO:あと僕に関して言えば今回のライヴ盤は品川ステラボールのベースプレイなんですよ。

──あくまでも2015年11月6日のプレイであるという。

IKUO:そう。ステラボールでの録音みたいな意識ですね。実はこの日、機材がトラぶって音が出なくなったりしたので、ちょっとイライラしててヤケくそ入ってるんですよ(笑)。それをメンバーがフォローしてくれた場面もあったのでバンドっていいなと思ったんですけど。

──そのトラブルによって予想外の演奏をしていたりとか?

IKUO:そうなんです。いつもより攻撃的かもしれない。トラブルをパワーに変えて結果的に弾きまくっていたので。

──そのアドリブ精神はどう培われていったんですか?

IKUO:僕、ライフワークでジャズセッションをやっているんですよ。サックスプレーヤーの山口真文さんやベーシストの鳴瀬喜博さんとプレイしたり。

──ジャズのセッションはアドリブの応酬ですもんね。

IKUO:そうですね。ソロイストに対してどうアプローチしていくかリアルタイムでプレイしていく。そういう感覚が僕の中に培われているから、決まったことをやるのがつまらないんですよね。ライヴってホントに1回きりのもので、だからこそ貴重なんだと思うんですよ。プロなのでアベレージは切らないですけど、その中でも演奏もお客さんのレスポンスも良くて……田澤は“魂の交流”って言うんですけど、それが出来た日はとても良いライヴ。中には出来ない日もある。でも、それでいいんじゃないかなとも思ってますね。

──キャリアを積んだメンバーだからこそのバランス感かもしれないですね。これだけスキルがあって主張があったら、若いとぶつかりあってしまう。

IKUO:ホントそうですね。僕もそういう時代があったけど、若いコたちは一触即発なところがありますからね。最初にRayflowerを組んだ時は、僕以外はex.L'Arc~en~Cielだったり、SOPHIAだったり、ex.Λuciferだったりex.Waiveだったりと錚々たるメンバーなので「スターの人たちってどんな感じなんだろう」と思ってたんです。そうしたら、みんなスターなのに良い人たちなんだなって(笑)。僕はそういう冠がないという引け目もあって。

──冠なしで、BASS専門誌の表紙を飾ることこそ、逆に凄いですけどね。

IKUO:ははは。代わりにいろいろなジャンルの人と仕事をしてきたので、ビッグネームの人たちとも対等に会話できるぐらいの経験はしてきたから、そういう自分を選んでくれたメンバーにプレイでお返ししたいと毎回思っているし、感謝しかないです。

──ライヴを重ねて、Rayflowerはどう変わったと思いますか?

IKUO:ずいぶん変わってきたなと思います。最初の頃は各メンバーのファンが集まっていたのが徐々にRayflowerのファンになってきて。

──そう思えたのがライヴ盤の時期ですね。

IKUO:そうですそうです。個人ではなくカタマリとして見てくれるようになった。だから、ライヴをやっていても楽なんですよ。「MCは田澤に任せておけばいいや」とか。

──IKUOさんもだんだんしゃべるようになってます。

IKUO:ははは。しゃべらされているだけですよ。でも、とにかく反応は嬉しかったですね。Twitterのリプライも「カッコよかったです」というより「楽しかった」っていう感想が増えてきたりとか。バンドというカタマリの中でベースで主張できる楽しさを感じているし。

■結局、人レベルですよね。何百人だろうが何千人だろうが
■1人1人がいろいろな感情を持って観に来るわけですから

──Rayflowerってやんちゃなロック魂を持ちながら成熟した大人の魅力も兼ね備えているのがスペシャルだと思うんです。

IKUO:その通りだと思います。大御所が集まったバンドだと思われるとフレッシュさがないみたいだから、そう思われるのはどうなの?って。僕がやっているもうひとつのバンド、BULL ZEICHEN 88は自分がプロデュースとアレンジを手がけているラウド系バンドで、完全に自分の好きな音楽をやっているんですけど、Rayflowerには自分のテイストとは違う曲もある。例えば「Garbera」のようなメロディの曲は僕は書かないけれど、そういう曲を演奏する楽しみがあるんです。BULL ZEICHEN 88で僕が作るのは複雑な構成の曲ばかりなのでベースには制限があって、でもRayflowerの曲はシンプルなので逆にやりたい放題弾ける。

──IKUOさんがRayflowerに書いている曲も複雑ではありませんよね?

IKUO:はい。シンプルな曲を作っています。それぞれのメンバーの個性を考えながら作っているので。

──やりたい放題かつRayflowerの曲の魅力や演奏の迫力がまっすぐ伝わる今回のライヴ盤はRayflower初心者にもオススメですね。

IKUO:ホントそうですね。僕、TOTOっていうバンドが大好きなんですけど、ギターのスティーヴ・ルカサーは同じソロを2度と弾かないんですよ。その残念さは経験してますが……。

──ライヴに行って「え? あのフレーズ弾いてくれないの?」って思うことありますよね。

IKUO:そうそう。でも、今はスティーヴ・ルカサーの気持ちがよくわかるんです(笑)。「じゃあ、スタジオ音源聴いてればいいじゃん? ライヴは別モノでしょ?」って。だから、あの時代のライヴアルバムって楽しいんだと思うんです。今の時代、マニアックなアイテムかもしれないですけど、いきなりライヴ盤から聴いても面白いんじゃないかな。

──では、すでにスタートしているツアー<Rayflower TOUR 2016 ~Bloom Moment~>についてメッセージをお願いします。

IKUO:前回のツアーをやって「楽しかったから、もう1回やろうよ」っていう気持ちがあって組んだツアーでもあり、その時にRayflowerを観れなかった人にも観てほしいという気持ちがいちばんデカいですね。ライヴ盤をリリースしてのレコ発ツアーではありますけど、今回はRayflowerの歴史も見える内容になると思います。だから、古い曲もやるかもしれないし、デビューから現在までの集大成ライヴになるんじゃないかな。

──それこそライヴアルバム『Tour 2015 ~Color&Play~@品川ステラボール』を経た先のRayflowerが観られるわけですもんね。

IKUO:前回、来てくれた人にとってもまた違うライヴになると思うし、初めて観に来る人には「Rayflowerって、こんなバンドなんだ」っていうのが分かりやすく伝わると思います。ライヴは生き物だから、何より自分が楽しくないとお客さんに届かないじゃないですか。ステージはもちろん、メンバーとご当地のゴハンを食べたりしてワイワイするのも個人的に楽しみですね。当たり前のことかもしれないけど、俺たちのようなバンドにはすごく大事なことだと思うので。

──では、最後にIKUOさん自身がRayflowerのライヴを通じてメッセージしたいと思っていることは?

IKUO:やっぱり音楽の持つパワーですかね。“こうしたら喜んでくれるかな”とか、そういう予定調和的なものはどうでもよくて、その場にしかない空気の中、その日にしかできないライヴをしたい。だって、その日のその時間に一緒にいてライヴを楽しむって奇跡的なことじゃないですか。

──確かにそうですね。

IKUO:たまたま観に行ったライヴかもしれないし、でも、そこで何かを持ち帰ってくれたらって。Rayflowerのライヴはその人の人生のほんの一部分だと思うんですど、“良かったね”って思ってもらえたら、残した功績は大きいと思う。結局、人レベルなんですよね。何百人だろうが何千人だろうが、1人1人がいろいろな感情を持って観に来るわけですから、楽しく演奏していることが伝わって、何か残せたらこれ以上のラッキーはないと思いますね。

取材・文◎山本弘子
撮影◎Hiro Sato

■ライヴCD『TOUR 2015~Color & Play~ @品川ステラボール』
8月24日リリース
【通常盤・2CD】LNCM-1156~7 3,800円+税
【Loppi・HMV限定盤・2CD+DVD】LNZM-1153~5 5,800円+税
*デジパックパッケージ仕様(通常盤、Loppi・HMV限定盤 共通)
●CD収録内容:バンドとして更なる大きな飛躍を遂げた<Rayflower TOUR 2015~Color&Play~>より、2015年11月6日(金)品川ステラボールでのLIVE全20曲を完全収録
●Loppi・HMV限定盤 DVD収録内容:全国9都市にて行われたTOUR 2015 ~Color &Play~ライブ映像も織り交ぜたファン必見のドキュメンタリー作品

■<Rayflower TOUR 2016 ~Bloom Moment~>
2016/08/24(水)HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-3
18:30open/19:00start ※SOLD OUT
2016/08/27(土)名古屋E.L.L
17:15open/18:00start
2016/08/28(日)大阪 UMEDA CLUB QUATTRO
16:45open/17:30start
2016/08/30(火)岡山 IMAGE
18:30open/19:00start
2016/09/01(木)福岡 BEAT STATION
18:30open/19:00start
2016/09/06(火)金沢 AZ
18:30open/19:00start
2016/09/07(水)長野 CLUB JUNK BOX
18:30open/19:00start
2016/09/21(水)仙台 darwin
18:30open/19:00start
2016/09/28(水)神戸 チキンジョージ
18:30open/19:00start
2016/09/29(木)京都 MUSE
18:30open/19:00start ※SOLD OUT
2016/10/13(木)札幌 cube garden
18:30open/19:00start
2016/10/20(木)東京 赤坂BLITZ
18:00open/19:00start
▼チケット
スタンディング前売:¥5,000-/当日:¥5,500- (税込)
※入場時ドリンク代別途必要 ※未就学児入場不可
一般発売:2016/6/26(日)AM10:00~

■ライヴCD『TOUR 2015~Color & Play~ @品川ステラボール』リリース記念イベント
08/26(金)19:30~ 名古屋 HMV栄店/トーク&握手会
08/29(月)19:30~ 岡山 HMVイオンモール岡山/握手会
08/31(水)19:30~ 福岡 HMV&BOOKS HAKATA/トーク&握手会
09/20(火)19:00~ 仙台 HMV仙台 E BeanS/トーク&握手会
09/27(火)19:30~ 兵庫 HMV三宮VIVRE/トーク&握手会
10/12(水)18:30~ 札幌 音楽処/トーク&握手会
10/17(月)19:00~ 東京 HMV&BOOKS TOKYO/トーク&握手会

最終更新:9月4日(日)8時26分

BARKS

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。