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勉強が学力に結びつかない子どもによく見られる原因と対処法

ベネッセ 教育情報サイト 9月1日(木)12時0分配信

勉強しているのになかなか成績が伸びない状態が続くのは、本人にとって非常につらいものです。保護者のかたも、がんばっている姿を見ているだけに、どう声をかければよいのかわからずに悩んでしまいがちです。子どもの全力を引き出す教育実践が各方面から注目されており、『自分からどんどん勉強する子になる方法』などの著書もある清瀬市立清瀬第八小学校教諭の杉渕鐵良先生が、勉強が学力に結びつかないお子さまによく見られる原因と対処法について解説します。

勉強が学力に結びつかない状態は、明確な原因があるケースが多い

勉強している、あるいは勉強しているように見えるのに、なかなか成績が伸びないケースは少なくありません。そうした状態には明確な原因があることが多いのですが、それを自覚できないと対策もできないため、「自分は勉強ができない」と思い込んで自信を失ってしまう場合があります。そうなると、大人になるまで尾を引いてしまうこともありますから、できるだけ早いうちに原因を特定して対策を考えることが大切です。

【成績が伸びない原因1】勉強の目的を取り違えている

勉強の目的は、「わからないことをわかるようにすること」です。大人からすると当然のことですが、本来の勉強の目的からずれてしまっている子どもは少なくありません。

たとえば、漢字の反復練習の目的は漢字を覚えることです。ところが、「覚えること」ではなく、「書くこと」が目的になってしまう場合があります。極端なケースでは、早く終わらせるために、先に「へん」だけをズラリと書いてから「つくり」を書き足していく子どももいます。当然ながら、そのやり方ではなかなか漢字を覚えられません。

ですから、目的意識を明確にもたせることは、お子さまの成績を伸ばすための第一歩です。目的は、「次のテストで○点を取る」「漢字の部首をすべて覚える」など、何でもかまいません。小学校の勉強から離れて検定などにチャレンジするのもいいでしょう。

以前に勤務していた小学校に全くといってよいほど勉強せず、保護者を悩ませていたお子さまがいました。そのお子さまに漢字検定をすすめると、人が変わったように勉強を始め、どんどん級を上げて、中学生のうちに高校生程度の準2級まで合格して周囲を驚かせました。成績が上がったのは国語だけではありません。漢字の学習を通して、勉強方法や集中のしかたを身につけたほか、教師や保護者にほめられることに喜びを感じて他の教科の成績もグングンと伸びていったのです。

勉強へのきっかけづくりの目的として、言い方は悪いかもしれませんが、「ごほうび」が有効なケースも結構あります。「次のテストで○点を取ったら△△を買ってあげる」といった方法です。このやり方は賛否両論があり、たしかにエスカレートすると際限がなくなってしまいます。しかし、それが本気で勉強を始める目的となり、しだいにわかることや成績が伸びること、またほめられることの喜びを実感して、内発的な意欲が呼び起こされることも少なくありません。こうした方法があることも念頭に置いて、まずお子さまの勉強の目的がどの方向を向いているかをしっかりと見定めてください。

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最終更新:9月1日(木)12時0分

ベネッセ 教育情報サイト