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扉は手動、トイレ使用不可に 新幹線で地震発生、そのとき車内は

乗りものニュース 9月1日(木)6時0分配信

「のぞみ」でまもなく三河安城を通過という、そのとき

 新幹線で高速走行中に大きな地震が発生したら--。想像したくない状況ですが、実際にそのとき、新幹線はどうなるのでしょうか。いつ起こるか分らない地震、そのとき慌てないためにも、あらかじめ知っておくと良いかもしれません。

【画像】所在地がシークレットの新幹線指令所

 筆者(恵 知仁:鉄道ライター)は2016年4月1日、東京発10時10分の博多行き「のぞみ23号」車内でその瞬間を体験しました。

 まもなく三河安城駅(愛知県安城市)を通過しようという11時39分、そのときです。車内へ一斉に、不安をあおる音が響き渡りました。乗客の携帯電話が発する「緊急地震速報」の警報音です。そしてまもなく、列車に変化が起きます。

 車内の照明が一部を残して消えると同時に、列車は急減速。車掌による「ただいま停電が発生しました。電車が急に止まります。お立ちの方はお近くの手すりなどにおつかまりください」といった車内放送のあと、ほどなく停止しました。

 なぜ緊急地震速報にあわせて、新幹線が停電したのでしょうか。それには新幹線の地震対策システムが関係してきます。

地震で停電するのが「正常」である新幹線

 東海道新幹線では、沿線から離れた場所の「遠方地震計」で地震のP波(初期微動)などを検知し、必要に応じて列車を停止させる「東海道新幹線早期地震警報システム(通称「テラス」)」と、沿線の揺れを直接検知する「沿線地震計」、そして気象庁「緊急地震速報」の活用によって、大きな揺れが来る前にできるだけ列車を減速させ、被害を軽減しようという地震防災システムが導入されています。

 それらシステムが列車を停止させる必要があると判断した場合、変電所から線路への送電が自動的に止められ、線路は停電状態になります。また列車は、停電すると自動的にブレーキがかかる仕組み。このため、地震検知で変電所からの送電がストップし、線路が停電状態になり、列車は車内の照明が非常用のものを除いて消灯、自動的に急停車したというわけです。

 これは東海道新幹線の例ながら、ほかの各新幹線でもこれに類するシステムが導入されており、大きな地震の発生が考えられる場合、停電状態になって列車のブレーキが作動します。

 またこのとき、緊急停車後に車掌から次のような車内放送がありました。

「ただいま緊急地震速報を受信しましたため、静岡から岐阜羽島のあいだで停電させて、すべての電車を止めております」

 地震発生時、「地震による停電のため新幹線の運転を見合わせている」と案内、報道されることがありますが、大きな地震の発生が予測されたとき、発生したときに新幹線が停電するのは基本的に正常です。

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最終更新:9月1日(木)19時44分

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