ここから本文です

ビッグデータ有効活用を模索する東電と東ガス、小売り自由化で連携先求む!

日刊工業新聞電子版 9月1日(木)16時20分配信

連携パートナー急募

 エネルギー業界各社がビッグデータの活用で、外部の企業や研究機関との連携に力を入れている。東京電力ホールディングス(HD)や東京ガスなどが、電気事業やガス事業で蓄えたビッグデータを用いる新ビジネス・新サービスの開発に取り組むパートナーの立候補を受け付け中。独創的な技術や発想を持つ企業などとのオープンイノベーションを加速し、異分野の知見を生かして革新的な事業の創出につなげる狙いだ。(編集委員・宇田川智大)

 東京ガスは顧客世帯のエネルギー使用実態に関するビッグデータの活用で、ベンチャー企業との連携・協業を進める。同社はオープンイノベーションの橋渡し事業を手がけるCreww(クルー、東京都目黒区)の専用ウェブサイトで、新ビジネス・新サービスの創出に向けたベンチャーからの提案の受け付けを始めた。

 この一環として、都市ガスや電気の小売り事業で蓄えた膨大なデータと、ベンチャー独自の技術やアイデアを融合することで、革新的なサービスの事業化を目指す。

電力使用量データには計り知れない価値がある

 東電HDも発電や送配電にかかわるビッグデータを活用する新サービスの提案を、8月上旬からホームページで公募している。採択先には電力の需給に関するデータや停電の発生状況を示すデータなどを提供し、共同で事業化に取り組む。

 今後、対象分野を広げていく方針で、各家庭の電力使用量データを応用する新しい顧客サービスでも、異業種との連携を本格化する見通しだ。同社の広瀬直己社長は「スマートメーター(通信機能付き電力量計)で計測した電力使用量データには計り知れない価値がある」と期待する。

 この点では、すでに布石がある。傘下の東京電力エナジーパートナー(東京都港区)とソニーグループによるIoT分野での提携合意だ。ソニーには分電盤に取り付けたセンサーで観測した電流波形から、電気機器ごとの波形を見分けて使用状況を把握する人工知能(AI)技術などの知見がある。これらを応用すれば、顧客が調理家電を使っていることをリアルタイムで察知し、料理に関係する情報をスマートフォンに配信するなどのサービスを実現できる。

 小売り全面自由化で電力、ガス業界とも競争が激化する見通しの中、新規事業開発への近道となるオープンイノベーションの取り組みが、今後さらに活発化しそうだ。

最終更新:9月1日(木)16時20分

日刊工業新聞電子版