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ベルリンフィルと奏でるパナソニックの音響・映像事業

ニュースイッチ 9月1日(木)14時55分配信

オーディオブランド、主導する女性役員はジャズピアニスト

 パナソニックは、ドイツのベルリン・フィルハーモニー管弦楽団と映像・音響技術の開発などで協業する基本合意を交わした。2016年内に詳細を詰めて契約を結ぶ。車載用音響機器、音楽配信技術、アナログ機器技術の共同開発などが候補に挙がっている。17年をめどにベルリン・フィルのコンサートホールに映像撮影用カメラなど最先端の収録関連システムも納入する。

 ベルリン・フィルの音響エンジニアの音質評価やチューニングなどの知見を、パナソニックのオーディオ機器「テクニクス」などの製品開発に生かす。また、パナソニックはベルリン・フィルのコンサート映像配信サービスについて、現行のフルハイビジョン(FHD)映像を4倍の解像度を持つ「4K」映像に高め、高画質技術「HDR」で色再現性を向上することも支援する。

 小川理子役員は「テクニクスのハイエンド製品の主要市場であるドイツ市場の開拓にもメリットがある」との見方を示した。

人気再燃でターンテーブル復活。今後の展開は?

 パナソニックは高級オーディオブランド「テクニクス」で、2010年の生産終了後も顧客からの復活要望が根強かったターンテーブル(アナログレコードプレーヤー)を再投入する。同ブランド自体も、新開発のオーディオシステム投入に合わせて復活させてから1年半が経過した。テクニクス担当の小川理子役員にその現状と今後を聞いた。

 ―テクニクスは順調な立ち上がりですね。
 「昨秋、従来の2シリーズの間に位置する中級クラスのオーディオシステム投入を宣言し、販路開拓が進んだ。テクニクス復活当初は、『今度は続けてくれるのか』、『ラインアップが少ない』といった販売店からの声を受け、商品で示すしかないと考えた。足しげく通い、音や技術、デザイン価値を認めてもらう地道な活動を続けた」

 ―今回のターンテーブルは限定モデル。量産モデルの計画は。
 「年内に国内外で投入するのが目標だ。アーティストがCDと同時にレコードを発売するなど、シニア層だけでなく、若い人たちも興味をもち、レコードの人気が再燃している」

 ―車載用テクニクスオーディオの進捗(しんちょく)は。
 「家庭用で培った技術をどのように車に展開するかを車載部門と検討している。スピーカーやアンプなどのコア技術はある。車室空間にどうすりあわせるかだ」

 ―パナソニックの中でテクニクスとは。
「家電も高付加価値品に力を注ぐ。当社の中でプレミアムブランドを確実に育成することの意義は大きい」

<解説>
 9年ぶりに復活したパナソニックの高級オーディオブランド「テクニクス」。その立役者として知られるのがプロのジャズピアニストでもある小川さん。オーディオマニアは男性が多いとされる世界で、女性が求める機器の開発を目指しているという。パナソニックでは二人目という女性役員としても今後の事業展開に注目だ。

最終更新:9月1日(木)14時55分

ニュースイッチ