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<河川敷16歳殺人>逮捕少年の中学で始業式 校長、命の重み伝える

埼玉新聞 9月1日(木)22時1分配信

 埼玉県東松山市の都幾川河川敷で吉見町中曽根の井上翼さん(16)が殺害された事件で、逮捕された14~17歳の少年5人が同市内の中学校に在籍、卒業していたことから、同級生や保護者らは不安さを強めてきた。1日、市内16小中学校では始業式が行われ、「命の大切さ」について校長講話が行われた。

 逮捕された2人が通う中学校では午前7時40分ごろから、教員が見守る中、続々と生徒たちが登校した。

 市教委によると、同校の校長は始業式前の約15分間、全校生徒に向かって、自身の幼少期の経験を織り交ぜながら命の重みを伝えた。「命は自分一人だけのものではない。命が途絶えることは大きな悲しみを生む。あなたの命を大切に、今を真剣に生きてほしい」とメッセージを送ると、生徒たちは真剣なまなざしで聞いていたという。

 市教委は「教育現場で何が足りなかったのかという検証を進め、保護者や地域との連携を強化していく」などとしている。

 少年が通う中学校では8月30日、保護者向けの説明会が開かれた。「丁寧な説明だった。学校と協力したい」「子を送ることに不安が残る」。参加した保護者の受け止めはそれぞれだ。

 保護者会に参加した40代主婦は「子どもたちが事件で萎縮してしまわないか、親の目が届かないところで巻き込まれないか心配は尽きない。今回を機に、お互いをいたわる気持ちを子どもたち一人一人に考えてほしい」と話す。

 今年7月、学校側が2少年の課題を関係機関と共有し、解決に向けて動き出した矢先に起きた事件に、別の主婦(35)は「もっと早く動き出せていれば。学校と地域の連携不足の結果」と胸を痛める。「学校だけではなく、家庭や地域でも命の大切さを伝えていかないといけない。ゲームの世界で生きている子どもたちに、どう伝えていくか。具体策が必要になる」と話した。

■動揺時の対応説明 川越の中学保護者会

 一方、今回の事件で中学3年の少年が逮捕された川越市の市立中学校では1日に行われた始業式で、校長が全校生徒に「命の大切さ」を説いた。

 市教委によると、始業式で校長は「命は最も大切なもの。命はその人だけでなく、多くの人に支えられていることもよく考えてほしい」と説明。事件については「自分からさまざまなことを広めるのではなく、節度ある行動を取ってほしい」と話したという。

 保護者や地元の自治会長らに対しては8月31日の夜に臨時の保護者会を開き、学校側が今後の学校の取り組み内容や生徒に動揺があった場合の対応策などを説明。保護者側からは、登下校時や家庭での見守り方法などについて質問が出たという。

 参加した保護者は「命の大切さはもちろんだけど、警察のお世話になるようなことをしないように子どもと話した」「学校や親の責任もそうだが、中学生も一人の人間として責任ある行動を取れるようにしないと」などと話していた。

最終更新:9月1日(木)22時15分

埼玉新聞