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生鮮食品、価格上昇の恐れ 北日本で台風被害相次ぐ

カナロコ by 神奈川新聞 9月1日(木)7時3分配信

 8月後半に相次いで日本列島に接近・上陸した台風は、北海道や東北北部を中心に大きな爪痕を残した。特にタマネギやジャガイモの国内最大産地の北海道では出荷最盛期を目前に、記録的大雨の影響による河川氾濫や土壌流出などの被害が多発。県内の流通や小売りの現場では、青果を中心とした生鮮品の価格上昇や品薄感の長期化への懸念が広がる。

■掴めぬ被害実態
 「生産者が畑に入れない状況が続いており、われわれも実態を掴(つか)み切れない」。青果卸の横浜丸中青果(横浜市神奈川区)の担当者は北海道各地に広がる冠水被害に危機感を募らす。

 国内生産量1位を誇る北海道産タマネギは、例年より1週間ほど早く、お盆シーズン直前から入荷が本格化。道産に次ぐ生産規模の佐賀県産が病気の影響で記録的不作が続いており、その分を北海道産でカバーしていたという。

 短期的にはフェリーや貨物列車といった交通網の乱れによる入荷遅れや減少を心配する。今後の見通しは「収穫したジャガイモやタマネギを大型貯蔵庫に保管する『倉入れ』の量が10~11月にかけて判明しないと分からない」としており、影響が長期に及ぶ可能性を示唆。

 タマネギやジャガイモの市場価格動向は現状で「通常の流通体制での適正価格と比較してやや高値」と担当者。「近年、全国各地で(記録的大雨などの)天候不順に見舞われるようになり、前年や例年との比較が困難だ」と明かした。

■品薄感にも懸念
 小売りの店先でも北海道の旬の野菜などに少なからず影響が出ている。

 県内を中心にスーパーマーケットを展開している相鉄ローゼン(横浜市西区)ではジャガイモ、タマネギの仕入れ価格が1・5~2倍に上昇。「収穫量が減ることが予想されるため、価格は高い状況が続く見込み」と担当者は話す。他にブロッコリーやトマト、トウモロコシ、ニンジンも産地の状況が気掛かりといい、東北北部を直撃した台風10号の影響で、青森のリンゴの落下も懸念材料だ。

 「今後が心配」。そう話すのは、横浜橋通商店街(横浜市南区)で佐藤青果店を営む佐藤裕久さん(71)だ。

 「これまでのところ、県内産を含めた青果の価格は、台風の目立った影響を受けていない」というが、今後は多くの青果の産地が北海道や東北に移る。特にタマネギは、佐賀県のほか兵庫県・淡路島での病気の影響がみられ、ジャガイモやトウモロコシなどとともに北海道産が出回る時期に。トマトやブロッコリー、キャベツなども東北産がシーズンとなる。

 「相次ぐ台風で品薄になるかもしれない」と佐藤さん。仕入れ価格が高騰しても「できる限り、お客さんには影響はさせたくない。ただ、どれくらい入荷するか分からず、今は見守るしかない」と悩ましげだ。

■発生時期が集中
 横浜地方気象台によると、今年の台風は、これから出回る野菜の産地に集中しているのが特徴という。担当者は「発生数は平年並みだが7~8月に集中した。雨の被害が各地で発生しており、特に北海道や東北など北日本が影響を受けた」と話している。

最終更新:9月1日(木)7時3分

カナロコ by 神奈川新聞