ここから本文です

シャープがジャパンディスプレイと組んだら中韓に勝てるの?

THE PAGE 9月5日(月)12時0分配信

 鴻海精密工業の傘下にあるシャープの戴正呉(たい・せいご)社長は、次世代ディスプレイである有機ELパネルについて、ジャパンディスプレイと共同開発したいとの考えを明らかにしました。有機ELは韓国勢が先行しているため、日の丸連合で対抗しようという目論見ですが、果たしてうまくいくのでしょうか。

韓国産じゃだめですか? 国産液晶ディスプレイって将来性はあるの?

 シャープは鴻海精密工業の支援を受け約2000億円を投じて有機ELの開発を進めています。堺の工場内に生産ラインを設置し、2018年にも量産を始める予定となっています。しかし有機ELについては、アップルがiPhoneの次世代ディスプレイとして採用を決定したことから、韓国勢が猛烈な勢いで投資をしており、日本勢は完全に劣勢となっています。戴社長は「日の丸連合」で対抗すべきだとの認識を示したわけです。

 しかしシャープとジャパンディスプレイの提携はそう簡単ではありません。ジャパンディスプレイは日の丸液晶メーカーとして政府が全面的に支援してきましたが、アップルからの受注が激減したことから再び経営危機に陥っており、政府系ファンドである産業革新機構に対して全面的な金融支援を要請する状況となっています。

 同社は石川県に1700億円を投じてアップル向けの最新工場を建設しており、今年6月の稼働を予定していましたが、現時点で稼働の見込みは立っていません。この工場を有機EL向けに転用するというプランもあるようですが、具体的な動きは今のところ見られません。ジャパンディスプレイには資金的な余裕がなく、同社とシャープが提携するということになれば、シャープからの支援を期待するという話になるでしょう。

 実はシャープ側にもそうした余裕はありません。シャープがジャパンディスプレイとの提携について言及したのは、韓国勢の積極的な投資によって製造装置の確保が難しくなっており、量産が遅れる可能性が出てきたからです。シャープは何も言及していませんが、政府がジャパンディスプレイに追加支援をすることを期待しているとみてよいでしょう。つまりどちらも相手側の支援を望んでいるわけです。

 このような提携はあまり前向きなものとは言えず、うまくいかないリスクが高くなります。ここで政府が日の丸有機ELというお題目で多額の追加支援を行うということになれば、両社はさらに政府の資金を頼るようになってしまいます。このタイミングで本格的に有機ELに参入したとしても、韓国勢に勝てるかどうかは微妙なところです。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:9月5日(月)12時16分

THE PAGE