ここから本文です

トランプ大統領誕生で成長が期待できる5つの産業は?UBS銀行が予測

ZUU online 9月2日(金)8時10分配信

スイスのUBS銀行は、2016年米大統領選挙でドナルド・トランプ大統領が誕生した場合、「リテール」「飲食業」「エネルギー」「防衛」「銀行」の5つの産業が最も恩恵をこうむるという見解を示した。

しかしトランプ氏の経済政策には極端な偏りが見られるほか、黒字とともに赤字を拡大するリスクが高く、ほかの多くの世論同様、「様々な点から考慮して、ヒラリー政権の方が無難」と結論づけている。

■「原油の自国供給」で米国を独立化させたいトランプ氏

トランプ氏が8月に発表した経済政策では、法人税の最高税率を35%から15%に引き下げるなど、第二次世界大戦以来の大規模な減税改革案が注目を集めた。

これが実施されれば、景気浮揚策として効果をあげることが期待され、財布の膨らんだ消費者から、リテールや飲食業が受ける恩恵は容易に想像がつく。

防衛産業に関してはトランプ氏も、ライバル候補者であるヒラリー・クリントン氏も、防衛産業への支援拡大を明らかにしている。

ここで引っかかるのは、トランプ氏が全面に掲げているスローガンの一つ、米エネルギー産業の促進だ。

トランプ氏はこの分野の規制を緩和し、油田や天然ガスの採掘量を増やすことで、「米国に眠る偉大なるエネルギー産業の可能性」を解き放つという戦略だ。

しかし産油量と石油掘削リグ稼働数の減少が効果を成し、短期的に価格が浮上したのもつかの間、過剰供給への懸念が再発し、原油市場は再び低迷し始めている。

そこへトランプ氏の「原油解放」が加われば、一時的な繁栄は期待できたとしても、長期的にどのような結果をもたらすかは想像するまでもない。

ところがトランプ氏の意図は原油価格の安定ではなく、あくまで「原油の自国供給」にあるようだ。「自国で十分な原油を産出できれば、ほかの原油をエサにした取引に応じる必要がなくなる」といった数々の発言からくみ取れる。

■大手銀行にとってトランプ氏は味方なのか敵なのか

もう一つ、複雑な位置づけにあるのは大手銀行だろう。

トランプ政権の誕生で大きな要となるのは、「ウォール街改革・消費者保護法(金融機関の巨大化によるリスクを防止する目的で、2014年にオバマ政権が導入した金融規制強化法)」の廃止だ。

この改革により、2007年から2008年の「サブプライム住宅ローン危機」で明るみにでたような無謀な投機から、銀行は完全に封じこめられている。

JPモルガンのジェームズ・ダイモンCEOは改革直後、顧客に宛てたレポートの中で、新改革による規制の強化が、どれほど利益創出にマイナス作用をおよぼすかについて、切々と書きつづっている。

トランプ氏がこの改革の強い反対派であり、大統領に就任したあかつきには、「ほぼ完全に廃止する」と公言していることから、トランプ政権は銀行にとって大歓迎と思いきや、実はトランプ氏は大の反大手銀行派としても有名で、大統領就任後は徹底的な銀行潰しに取りかかる姿勢を示している。

一見両極端な印象を受けるが、原油解放案同様、ここでもトランプ氏の本来の目的は、大手銀行の保護ではなく、大手銀行の利益創出を促進すると同時に、絶対的な監視下に置くところにあるのではないかと憶測される。

いずれにせよトランプ政権の誕生は、ウォール街改革の廃止と高金利をもたらすことは間違いないが、数えきれないほどの副作用が待ちかまえていそうな気配は否めない。(ZUU online 編集部)

最終更新:9月2日(金)8時10分

ZUU online

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

地球外生命を宿しているかもしれない1つの惑星と3つの衛星
地球外にも生命はいるのでしょうか?NASA(アメリカ航空宇宙局)の惑星科学部門の部門長であるジェームズ・グリーンと一緒に、地球外生命を宿していそうな場所を太陽系内の中で探してみましょう。 [new]