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エネルギー関連の概算要求は9140億円、省エネの加速や再エネ・水素の普及に

スマートジャパン 9月2日(金)11時25分配信

 2017年度のエネルギー関連の概算要求は5つのテーマに分かれている。その中で最大の予算を配分するテーマは「エネルギー革新戦略の実行」で、全体の3分の1を超える3396億円を要求した。エネルギー革新戦略は経済産業省が2030年度のエネルギーミックス(電源構成)を実現するために、省エネルギーと再生可能エネルギーの推進を軸に長期的な政策をとりまとめたものだ。

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 概算要求では省エネルギーの分野に2060億円を割り当てた。工場や住宅などの省エネ投資を促進するための補助金に1140億円の予算を見込むほか、燃料電池自動車や電気自動車の補助金に140億円を予定している。さらに省エネを加速するための技術開発に合計610億円の予算を投入して、超高輝度のLED照明や革新型の蓄電池の開発を促進していく。

 これまで製造業に適用してきた省エネのトップランナー制度を流通業やサービス業にも拡大するため、省エネ設備の導入を支援する補助金を2017年度も継続する予定だ。合わせてビルや住宅のエネルギー消費量を実質的にゼロに抑えるZEB/ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル/ハウス)の補助金も拡大する。このうちZEHの補助金は2016年度の補正予算で100億円を追加した。

風力・地熱、水素・燃料電池の補助金

 再生可能エネルギー関連では太陽光を除く風力・水力・地熱・バイオマスを対象に、補助金の継続と新技術の研究開発が中心になる。従来は企業が負担する固定価格買取制度(FIT)の賦課金を減免するための予算も加えてきたが、2017年度はFITの法改正を実施することから、金額未定のまま項目だけを盛り込んだ。

 再エネの中では風力発電と地熱発電の予算が大きい。福島沖で実施中の浮体式の洋上風力の実証研究事業に24億円、さらに北海道・東北の送電網の整備に40億円を投入して風力発電所の増加に備える。2013年度から継続する地熱の資源量調査の補助金には105億円の予算を見込んでいる。

 再エネと合わせて水素エネルギーの拡大にも引き続き注力していく。家庭用の燃料電池エネファームの補助金に104億円、燃料電池車の普及を促進する水素ステーションの補助金に52億円を割り当てる。

 技術開発の面では今後の拡大が期待できる洋上風力発電のコスト低減に63億円、再エネの中核を担う太陽光発電の高効率化に向けたプロジェクトに77億円を投入する。火力発電と組み合わせて電力の安定供給を図る実証事業にも80億円の予算を割り当て、高い精度で需給予測・運用を可能にする計画だ。

 供給側の取り組みと並行して、需要家の設備を利用して電力の需給バランスを調整するバーチャルパワープラントの実証事業も推進していく。バーチャルパワープラントは需要家の発電・蓄電設備を制御しながら節電も実施する仕組みで、仮想的な発電所として機能させることが目的だ。そのための実証事業に60億円の予算を盛り込んだ。

メタンハイドレートやCO2貯留にも注力

 省エネ・再エネ以外の分野では、エネルギー資源の確保と低炭素化をテーマに「エネルギーセキュリティの強化」に1912億円の予算を要求した。石油・石炭・天然ガスといった化石燃料の確保が狙いで、国産の石油・天然ガスの開発とメタンハイドレートの調査・研究が含まれている。2017年度から新たに271億円の予算を確保して国内の資源開発を推進する。

 低炭素化に関しては、火力発電の高効率化と二酸化炭素(CO2)の回収・貯留(CCS:Carbon dioxide Capture & Storage)に焦点を絞って技術開発を進めていく。火力発電の高効率化は広島県で実施中の石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC:Integrated coal Gasification Fuel Cell combined cycle)に重点的に取り組む方針だ。概算要求で137億円の予算を見込んでいる。

 火力発電の最大の課題はCO2排出量を削減する点にある。北海道の苫小牧市で計画中のCCSの実証試験に89億円を投入する。2017年度は近隣の製油所で発生する排ガスからCO2を分離・回収して、地中へ貯留する試験を実施する予定だ。合わせて日本の近海で貯留の適地を調査する事業に12億5000万円の予算を配分する。

 このほか2017年度の概算要求には、福島県の再生可能エネルギーを拡大する福島新エネ社会構想を推進する予算として425億円を盛り込んだ。その一方で原子力発電所の立地地域を支援するための交付金に多額の予算を投入し続けることも見過ごせない。2016年度の予算は869億円にのぼり、2017年度は少し減らして836億円を要求した。

最終更新:9月2日(金)11時25分

スマートジャパン