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「給付型奨学金」家計や成績基準、給付の仕組みは? 議論を整理

リセマム 9月2日(金)19時15分配信

 文部科学省は8月31日、給付型奨学金制度の設計について、これまでの議論を整理し公表した。高校在学中の予約採用を基本とする考えで、高校生活前半での成績が基準に満たなかった場合にも後半からの成果によって、学校推薦などの方法で給付の対象とすることも検討する。

給付型奨学金制度の給付の在り方について

 給付の在り方については、経済的事情により「進学を後押し」するという趣旨のもと、自身が対象となるのかどうかを入学前の時点で予見可能とすることが重要とし、高等学校等在学時における予約採用を基本とする。奨学金の対象となる学校種は、日本学生支援機構の貸与型奨学金と同様に、大学、短期大学、高等専門学校、専修学校専門課程。選定にあたっては、一定の成績基準を設けるべきとしているが、必要以上の厳しい基準を設けることは適当ではないとした。

 対象者の選定については、他世帯と比較して年収の低い世帯の学生ほど家庭からの給付が少ないことから、年収の低い世帯ほど進学を断念せざる得ない子どもが多いと判断。よって、家計基準の設定には「年収の低い世帯を対象とすることが適当」だとしている。世帯種等としては、具体的には児童養護施設退所者、里親出身者、生活保護世帯、高校生等奨学給付金受給者数や生活保護世帯を除く住民税非課税世帯などを想定しながら、引き続き検討を続ける考え。

 現在の奨学金の予約採用では、高校1・2年次の評定平均値を成績基準に用いている。議論が行われている奨学金では、たとえば、さまざまな困難な状況を抱えて高校生活前半で一時的に成績が低下し基準を満たさなかったとしても、後半から学力を向上させるなど優れた成果を収めた生徒については、透明性を確保したうえで、学校推薦などの方法により対象とすることも検討するという。

 給付にあたっては進学後の学業の状況を確認する仕組みを設ける考え。支給の具体的な方法については、学業の状況を確認して支給を確定させる方法(返還免除型ないし条件付給付型)と、当該年度は支給を確定し、翌年度への継続の可否を当該年度の学業の状況を確認する方法で検討している。

 それぞれのメリット・デメリットについても触れており、返還免除型では学修状況を確認したうえで免除することで学業をしっかり修めた者への給付となるという利点がある。ただし、給付(免除)を受けられるかどうかが入学前に確定しないため、学生にとっては不安感が大きい。事前給付型では学修状況にかかわらず給付されることで安心感が得られるが、学修がおろそかな者にも給付される可能性が指摘されている。

 また、給付(免除)分と現行貸与分の関係についても、通常貸与額に上乗せして給付(免除)する場合と、通常貸与額の内数として給付(免除)する場合を検討。いずれにしても追加の財政措置が必要だという。

《リセマム 黄金崎綾乃》

最終更新:9月2日(金)19時15分

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