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老朽化不動産を強くもうかる資産に「再生」、旧耐震基準も対応

スマートジャパン 9月2日(金)6時10分配信

 三井不動産は2016年8月30日、青木茂建築工房と業務提携し、老朽化した不動産の再生コンサルティングサービスを開始した。旧耐震基準で建てられた建築物も対象とし、建て替えの70%程度のコストで改修できる点が特徴だ。

 老朽化した不動産では、多くの場合課題その耐震性が課題となる。国土交通省の調査では2013年時点で全国の住宅の約17%、900万戸が耐震性に問題があるとしている(図1)。この900万戸は1981年5月まで適用されていた旧耐震基準にもとづいて建てられたものだ。

 こうした住宅や建築物の耐震化が進まない理由の1つに、不動産オーナーの耐震化に対する投資が困難になっている点が挙げられる。1981年5月まで適用されていた旧耐震基準で建てられた不動産は、競争力の低下などにより今から耐震化を行っても賃料収入が上がらず、資金回収ができない見込みが高いからだ。工事費の高騰も影響しているだろう。

 さらに耐震化を行うには、相続や権利関係の整理といった不動産的問題、賃貸募集で問題となるブレースなどの耐震補強や、検査済み証が無く行政協議に大きな支障があるといった建築的問題、耐震補強だけを行っても事業として資金回収ができない、金融機関から長期融資が受けられないといった賃貸事業の問題など、さまざまなハードルがある。

 今回、三井不動産と青木茂建築工房が開始したサービスはこうした課題に着目したものだ。事業推進の前段で課題となる相続、権利関係などの調整、事業性能の検証、さらに実際の改修など耐震化事業全体を引き受け、築年数を問わずに賃料の改善や資金回収ができる賃貸不動産への再生をサポートする。

リファイニング建築で低コストに再生

 老朽化した不動産の改修には、青木茂建築工房のリファイニング建築の手法を活用する。これは同社が開発した独自の建築手法だ。リフォームやリノベーションと異なり、耐震上問題のある建物の耐震性能を、軽量化をなど、ブレースなどに頼らない補強方法で現行基準レベルまで向上させる。既存躯体の約80%を再利用することで、建て替えの60~70%のコストに抑えながら、大胆な意匠の転換や用途変更、設備一新を繰り返し行い、建物の長寿命化を図る(図2)。

 同手法では法的な部分についても単体規定については全て現行法に適合させる。特に構造については調査、診断、補強を行った上、工事過程全ての履歴を残し、新たに確認申請書を提出する。これにより竣工後は完了検査済証の交付を受けられる。さらに青木茂建築工房が業務協定を行っている金融機関から一定基準を満たせば長期融資を受けられるため、資金面の課題もクリアできるという。

 今回提供するサービスでは、改修後の建物を賃貸事業を手掛ける三井不動産レジデンシャルリースがサブリースを行う。なお、耐震補強を含めた改修工事は、三井不動産リフォームによる施工も可能だ(図3)。

最終更新:9月2日(金)6時10分

スマートジャパン