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阪神調査報道で争奪戦も オリFA糸井は“満身創痍”の超人

日刊ゲンダイDIGITAL 9月2日(金)9時26分配信

 2日前のスポーツニッポンに「阪神 オリ糸井調査」という記事が載った。

 Bクラスに沈む阪神が来季に向けた今オフの補強の目玉として、国内FA権を取得したオリックスの糸井嘉男(35)をリストアップ。球団主導で戦力強化を進める中、機動力野球を掲げる金本知憲監督(48)の方針に合致する選手として、糸井の動向を水面下でマークするという内容だ。

「阪神は27日のヤクルト戦前に4時間に及ぶ編成会議を開き、フロント幹部と金本監督が額を突き合わせて来季のチームづくりに関する意見交換を行った。FA権を持つ中日の大島と平田、日本ハムの陽岱鋼らの名前が挙がる中、糸井に関しては金本監督の希望だといわれています。来季の阪神の外野は39歳の福留、新人で23歳の高山のレギュラーが確定的で、ポジションが1つ空いている。走攻守の3拍子が揃った糸井は体も強い。金本監督好みの選手であるのは確かです」(在阪マスコミ関係者)

 糸井は今季、リーグ4位の打率.3048、11本塁打、59打点と最下位チームで孤軍奮闘。12球団トップの48盗塁をマークするなど、健在をアピールしている。チーム打率.244、74本塁打、446得点、54盗塁と打率、本塁打ともリーグのワーストに沈む阪神にとっては魅力的に映るだろう。

 それはライバル球団も同様で、優勝が絶望的になった巨人、平田と大島の両外野手にFA権行使の可能性がある中日なども、リストアップしているともっぱらである。

「糸井本人はFA権行使について明言はしていないが、親しい関係者には『他球団の評価を聞いてみたいという気持ちはある』と話している。かねての希望だったメジャー挑戦は数年前に封印し、もうその気はない。本人は現在、大阪のホテル住まいで、家族は東京暮らし。すっかり単身赴任が長くなっていることもあり、『在京球団の巨人が有利』『いや、京都出身で準地元の阪神も自信を持っている』などと球界では囁かれている」(パ球団編成担当)

■日本ハムを放出された理由

 オフには、阪神を中心とする糸井争奪戦が展開されそうな雲行きなのだが、過度な期待は禁物だという声もある。

 卓越した身体能力から「超人」の異名を持つ糸井も、来年の7月には36歳になる。昨季は、09年に日本ハムでレギュラーに定着してからの自己ワーストとなる打率.262、17本塁打、68打点と大不振。7年ぶりに打率が3割を下回ったその原因は、古傷である左ヒザの故障だった。

「右ヒジの靱帯や右足首の腱など他にも故障が相次ぎました。特にヒザのケガの回復が遅く、本人が『オレももう年だな』と言っていた。前年の14年にはスイングの際に右脇腹を痛め、患部をテーピングでぐるぐる巻きにして、だましだましプレーしていました。その脇腹も実は再発で2度目の故障。超人と言われながら実際は満身創痍の状態です。今季は復活をアピールしていますが、古傷のヒザと脇腹は常に再発の危険性がつきまといます」(オリックス関係者)

 13年に糸井を2対3のトレードでオリックスに放出した日本ハムの関係者は当時、こんなことを言っていた。

「4度のゴールデングラブ賞を獲得した外野守備に問題というか、不満が出ていた。超人的な好守を見せる一方で、平凡な打球の判断を誤って長打にしたり、打球を追わなかったり。ファインプレーでピンチを摘み取ってくれるよりも、緩慢な守備で打ち取った当たりを安打にされたり、長打にされる方が投手はダメージが大きい。そういうプレーが散見されるようになって、投手陣から不満が出ていた。要するに、精神的にムラっけがあって、気分次第でプレーの質に差が出る。遅刻魔でチームの輪を乱す振る舞いも多々あった」

 球界は、4年連続で3割をマークしていたバリバリの3番打者の放出に騒然としたが、トレードを持ちかけたのは日本ハムの方。放出する側にはそれなりの理由があったわけだ。

 阪神は金本監督の下、「超変革」を旗印に若手の積極起用でチームを変えていくはずだった。そこへ、福留と4歳しか違わないベテランの糸井がやってくる。しかも、それが傷持ちの問題児とくれば、救世主になる可能性は低いのではないだろうか。

最終更新:9月2日(金)9時26分

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