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腫瘍形成個所、構造に特徴 三島・遺伝研、がん発症解明期待

@S[アットエス] by 静岡新聞 9月2日(金)9時30分配信

 国立遺伝学研究所(三島市)の田守洋一郎助教(42)らのグループが、がん細胞が体の表面や器官の内面などを覆う上皮組織内の特定の場所で腫瘍を形成することを突き止めた。がんは変異細胞が異常増殖し腫瘍化することによって発症するが、腫瘍化の最初期段階の成り立ちは分かっていなかった。がん発症の基本メカニズムの一層の解明が期待される。2日付の米オンライン科学誌プロス・バイオロジーに発表した。

 田守助教によると、発がんの重要な遺伝経路が哺乳類とほぼ共通するショウジョウバエで調べたところ、上皮組織において変異細胞が腫瘍形成を起こす場所(ホットスポット)と起こさない場所(コールドスポット)があることを発見した。組織の大部分を占めるコールドスポットでは変異細胞は上皮組織から排除されて死んでいくが、ホットスポットでは上皮組織から上にはみ出て異常な増殖を始めることが分かった。

 ホットスポットとコールドスポットには構造上の違いが見られた。コールドスポットは細胞がまっすぐ並んでいるのに対し、ホットスポットは底部分で細胞が折れ曲がって複雑に絡み合い、膜が固く重なっているという。がん細胞が通り抜けにくく、はみ出る原因とみられる。田守助教は「この発見はがんが発症しやすい場所がもともと存在していることを示唆するもので、今までにない考え方」と研究成果の意義を話した。

静岡新聞社

最終更新:9月2日(金)9時57分

@S[アットエス] by 静岡新聞