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すべての生命を誕生させる『Birthdays -バースデイズ-(仮題)』とは? 和田康宏氏インタビュー

ファミ通.com 9/2(金) 18:02配信

●プレイヤーの想像力を掻き立てる作品
 アークシステムワークスより、2017年1月19日発売予定のプレイステーション4用ソフト『Birthdays -バースデイズ-(仮題)』。本作は、ゲームクリエイターの和田康宏氏と、アークシステムワークスという強力タッグが放つ“いのちをうみだすみんなの箱庭ゲーム”。ここでは、ゲームの概要を紹介しつつ、本作を手掛けた和田康宏プロデューサーへのインタビューをお届けしよう。

●自分の手でさまざまな命を生み出そう
 古代植物や恐竜、果ては人類まで、多種多様な生物の誕生を目指す本作。恐竜と人類など、本来ならば住む時代が異なる生物も、プレイヤーが創造する世界では共存することが可能という。そんな不思議な世界を作る方法は、温度に気をつけながら地形を上げたり下げたりするだけ。時間を進めると、その環境に適した生物がどんどん誕生していく。

■自由自在に土地をデザイン
 上で述べたように、世界作りの基本は地形の上げ下げ。何も存在しないまっさらな土地に、山や谷、水が溜まるようなくぼみを作って自分好みにデザインできる。地形を変えたら少し時間を進めてみよう。海に生物が誕生し、陸へ進出。世界がどんどん賑やかに!

■時間が経過してさまざまな生物が誕生
 時間を進めると食物連鎖をくり返していろいろな生物が生まれていく。新しく誕生した生物を見つけたら、キャプチャーして“ライブラリ”に登録しよう。生物の情報だけではなく、“ツリー”で進化の系譜も確認できる。

■作った世界をほかのプレイヤーにアピール
 プレイヤーが自由に作った世界は、プレイステーション4のSHARE機能でオンライン上にスクリーンショットをアップロードできる。世界中のプレイヤーが驚く、オリジナリティー溢れる世界を目指そう!

●つぎはどうなるのだろう?とワクワクする作品
――本作のプロジェクトがスタートした経緯を教えていただけますか? 

和田康宏氏 (以下、和田) 2年くらい前にアークシステムワークスの木戸岡社長から、シミュレーションゲームを作ってほしいという話をいただきまして、ずっと前から構想を練っていたこの企画を提案させていただきました。そのとき、木戸岡社長から「シミュレーション性が強く、難しそうに見えるので、できるだけアカデミックにならないようにしてほしい」と要望があったんです。僕としては、その段階でも十分“簡単、快適、気持ちいい”という要素を取り入れていると思っていましたが、第3者のご意見は初めてでしたので、これでもまだ難しいのかという結論に至りました。そこから、もっとシンプルにわかりやすくしていくという方向性でプロジェクトがスタートしました。

――以前から練っていたという構想は、どのようなものだったのでしょうか?

和田 ずっと考えていたのは、星を育てるというものです。もともと、『シムシティ』や『シムアース』、『Spore(スポア)』など、ウィル・ライトさんの作品が大好きでよくプレイしていたのですが、『シムアース』はおもしろいけどとっつきにくいと言いますか、自分的にワクワク感が足りなかったり、『Spore(スポア)』はすごくワクワクしたけど、テーマが壮大すぎて自分の想像力との距離が離れているなと感じていました。そこで、恐竜や人間の祖先であるサルなどもっと身近に感じられる状態で星を育てていき、生命が誕生するゲームは作れないかと考えていました。

――それがついに実現したというわけですね。では、本作のコンセプトを教えていただけますか?

和田 最近ワクワクするゲームが少なくなってきたなと感じていて、おもしろいゲームはたくさんありますが、こうしたらこうなるだろうと想像できるものが多く、これはどうなっていくのだろうと、プレイヤーの想像力を掻き立てるものを作りたいという思いがありました。たくさん命が生まれて進化してだんだん賑やかになって、つぎはどうなるのだろうとワクワク感が楽しめるというのがコンセプトです。

――まだ仮題ですが、タイトルの『Birthdays -バースデイズ-』にはどのような意味が込められているのでしょうか?

和田 さきほども話しましたが、アカデミックになりすぎない、小難しく感じないようにしたいというのが頭にありまして、シンプルでわかりやすく世界中の人に共通する言葉をずっと探していました。本作のいちばんのポイントとなる生命の誕生から“Birthday(バースデイ)”が浮かんできて、ゲームの中にはたくさんの“Birthday”があるということから、複数形を意味する“Birthdays(バースデイズ)”にしました。この言葉をすごく気に入っていて、どうしてもタイトルを“Birthdays(バースデイズ)”にしたいという想いを込めてプレゼンテーション映像を作成し、木戸岡社長にお見せしました。

――その映像をご覧になられた木戸岡さんは、どのような反応だったのでしょうか?

和田 「ふーん」という感じでしたね(笑)。ただ、ダメなときはダメっておっしゃる方なので、何も言わないということは大丈夫なのだろうと思いました。

――和田さんの想いがたくさん詰まった『Birthdays -バースデイズ-(仮題)』ですが、なぜプレイヤーが世界を作ることになったのか、導入部分を教えていただけますか?

和田 主人公(プレイヤー)が「子どものころに不思議な体験をしたんだ」というモノローグから始まります。おじいちゃんはたくさん本を持っていて、それをこっそり読むのが主人公の楽しみのひとつでした。あるとき、本の中から宝の地図のようなものが出てきて、地図を頼りにその場所へ行ってみると、不思議な光に包まれて別の世界に呼ばれてしまいます。何が起きたのか戸惑う主人公でしたが、「あなたは選ばれた人。ちょっと手伝ってくれたらもとの世界に帰してあげるよ」と案内人であるナービィに言われ、彼を手伝うことになります。

――その手伝いが世界を作るということなんですね。

和田 そうです。何もないまっさらに土地に生物を誕生させることがナービィの目的なので、キミの力を借してほしいという流れです。そこからチュートリアル的なステージが始まって、基本的なルールを教えてくれます。

――ルールというのは?

和田 この世界では、土地が高くなると温度が下がり、土地が低くなると温度が上がるというルールがありまして、温度の変化が本作で重要なポイントになります。たとえば、最初は50℃、60℃の世界なので生物は存在しませんが、温度を下げたり、“原始のしずく”というアイテムで海を作ることで、生物が生まれる条件を徐々に整えていきます。そして、条件が整った状態で“生命のスープ”というアイテムを使うと、生命のもとになる植物プランクトンが発生するという仕組みです。

――植物プランクトン誕生後はどうなるのでしょうか?

和田 本作では時間をがーっと早送りしたり、ゆっくり進めたりすることができるのですが、海と植物プランクトンが存在する状態で時間を進めると、動物プランクトンが生まれて、動物プランクトンが植物プランクトンを食べ始めます。そこで食物連鎖と言いますか、生命のサイクルみたいなものが生まれます。そして、最初は海の中にしか生物は存在しませんが、地上に植物が進出する瞬間がありまして、そこまでがチュートリアルになっています。こういう説明をしていると、すごくアカデミックだと思われてしまいますが、ゲーム上ではすごく簡単で、初めての人でも10分~15分ぐらいで植物が地上に進出するまで進められます。ナービィの指示通りにやればできますし、やっていくことでいろいろな仕組みがわかるようにしています。

――お話は壮大ですが、プレイヤーが行うことはシンプルなんですよね。

和田 プレイヤーが行う作業は、地形を上げ下げして細かく整備するだけですね。温度を意識しながら地形を整えていき、時間を進めればどんどん生命が誕生・進化します。

――そして、進化をくり返して恐竜が生まれると……。

和田 海底で生きられる生命と、高山帯で生きられる生命は違うので、いろいろな地形を作るとさまざまな種類の生物が生まれます。すると、植物がすごく反映し、動物プランクトンから発生した動物(両生類)が地上に出現します。この両生類がだんだん陸上だけで暮らせるようになり、爬虫類に進化します。これが、恐竜になるんです。

――和田さんはもともと生物の進化に興味をお持ちだったのでしょうか?

和田 子どものころから宇宙が大好きで、なぜ宇宙ができたのだろうというところから始まり、その延長線上に生命の誕生・進化があるものなので、ずっと興味がありました。

――なるほど。本作の開発でこだわられた部分はどこでしょうか?

和田 このゲームを細かく説明すると難しいものにしか聞こえないので、それをゲームとして体験したときに、いかに簡単に行えるかがいちばんの課題であり目標でした。プレイヤーが気にしなくてはならないのは温度だけ、プレイヤーができることは地形の上げ下げだけなので、じつはすごくシンプルで簡単なんです。

――開発で苦労されたところはありましたか?

和田 これは、シンプルで簡単という部分にもつながるのですが、生物の描写や成長の過程などをどこまでそぎ落とすか……ですね。本作では、肉食恐竜が草食恐竜を食べる食物連鎖の仕組みを取り入れていますが、それをきちんと見せたほうがいいのかというような細かいことがたくさんあって、いかに簡略化するかに苦労しました。作っている側からすると、食物連鎖の仕組みをじっくり細かく見せたい気持ちもありましたが、何十億年という時間が流れていくゲームなので、クリアーするのに何年もかかってしまっては意味がないですからね。

――それでは、反対にスムーズに進められたところはありましたか?

和田 生命の誕生と文明を発生させるという目的が最初から最後までぶれずにはっきりしていたので、そこはスムーズに進められました。

――ここを楽しみにしてほしい、ここに注目してほしいというポイントを教えていただけますか?

和田 実際は恐竜が絶滅しないと人類が誕生しなかったわけですが、本作では恐竜と人類の共存も、『ギャートルズ』のような人間とマンモスの共存も可能なので、いろいろな“if”が作れます。「何が起こるんだろう?」、「何を起こせるんだろう?」と想像力を膨らませることができるので、そこを楽しみにしてほしいです。

――生物は何種類用意されているのでしょうか? また、その中から和田さんのお気に入りの生物を教えていただけますか?

和田 生物の種類は300弱です。僕のいちばんのお気に入りは、人類の祖先であるドリオピテクスですね。最初はやはり恐竜の花形でもあり、子どもたちに受けるかもと邪な考えもあってティラノサウルスが好きだったのですが、いまはドリオピテクスがいちばん好きですね。初めてゲーム上で動いているドリオピテクスを見たときに、鳴き声がめちゃくちゃかわいくて、自分たちの祖先なんだと思うととても愛着が湧いて感慨深いものがありました。

――なるほど。本作は、プレイステーション4のSHARE機能を使って、自分が作った世界をアップロードできますが、アップロードすることでアイテムがもらえるなどの恩恵を得られるのでしょうか?

和田 将来的にそういう機能を追加したいのですが、いまのところはドヤ顔ができるくらいですね(笑)。ただ、ドヤ顔がしやすいと言いますか、気軽にアップロードできるようなサイトを作りたいという話をアークシステムワークスさんとしています。そのサイトで “いいね”をたくさん集めた人にはプレゼントを贈るなど、何かメリットを用意できればいいなと考えています。

――追加ダウンロードコンテンツは用意されているのでしょうか?

和田 詳細は決まっていませんが、自分だけの世界、地形を作り、アップロードしてほかのプレイヤーと見せ合うことができるので、ゲーム上で誕生する生命だけではなく、飾りと言いますかオブジェのようなものを追加配信したいと考えています。たとえば、UFOやUMAといった未確認物体・生物的なものだったり、シン・ゴジラのような怪獣だったり、そういうバリエーションを増やせていけたらおもしろいなと思っています。

――ダウンロードコンテンツでより自分だけの世界が作れるようになるということですね。ほかにも“ダイナソーチャレンジ”というゲームモードも用意されているそうですが、どのような内容なのでしょうか?

和田 “ダイナソーチャレンジ”は、もっと手軽に楽しめる要素を付け加えたらどうかと、アークシステムワークスさんからご提案いただいて付け加えたモードです。すでに生物がいる状態の世界で、さまざまなお題にチャレンジするというものです。メインモードのチュートリアルをクリアーすると“ダイナソーチャレンジ”がメニューに追加されます。最初は3つのチャレンジが解放されますが、メインモードを進めていくと最終的に10個のチャレンジが楽しめます。

――“ダイナソーチャレンジ”も楽しみです。それでは最後に本作を楽しみに待っているファンへメッセージをお願いします。

和田 つぎはどうなるんだろうとワクワクする珍しい作品ができました。ゲーム自体はシンプルで簡単、快適ですので、ちょっと難しそうだなと感じている人も、ぜひ一度遊んでいただけるとうれしいです。

Birthdays -バースデイズ-(仮題)
メーカー:アークシステムワークス
対応機種:プレイステーション4
発売日:2017年1月19日発売予定
価格:未定
ジャンル:シミュレーション

最終更新:9/2(金) 18:02

ファミ通.com

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