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ルネサスにMaximが対抗? インターシル買収で

EE Times Japan 9月2日(金)13時37分配信

 2016年8月22日付の日経新聞で、ルネサス エレクトロニクスが米Intersil(インターシル)の買収に向けて最終交渉に入ったと報じられた。だが、米Maxim Integratedも、Intersilの買収を狙っているという。

 Reuters(ロイター通信)は2016年8月31日(米国時間)、Intersilが間もなくルネサスとの買収合意を発表するとみられると報じた。だがロイターは、Maximが新たな条件を提示し、対抗買収を仕掛ける可能性がまだ残っているとしている。

 Maximの動きは、昨今の半導体業界における複雑で激しいM&Aのトレンドを反映している。

 これまでMaximについては、買収の対象としてその名が浮かぶことはあった。例えば2015年10月には、Analog Devices(ADI)との合併交渉が報道されている。さらに、Texas Instruments(TI)も、Maximの買収に乗り出しているとみられていた。

 米市場調査会社のIC Insightsでシニアアナリストを務めるRob Lineback氏は、EETimesに対し、「Maximはこれまで、買収を行う方針は打ち出していなかった。TIやADIへの売却は前向きに検討しているとみられていた」と述べている。

 ルネサスやMaximにとって、産業機器や車載市場向けのチップを提供するIntersilは魅力的な存在だ。米市場調査会社のIHS Markitでパワー半導体市場のシニアアナリストを務めるJonathan Liao氏は、Intersilを買収することによってルネサスは、有線や産業分野において顧客を増やすことができるだろうと述べた。

 Lineback氏は、ルネサスはIntersilのパワーマネジメント製品群を手に入れることで、車載市場(とりわけ日本以外の)や航空宇宙市場での存在感を高めることができると分析する。一方で、Intersilにとっての懸念点としては、ブランド力が失われる可能性があることを挙げた。「特に米国の航空市場において事業にマイナスの影響があるかもしれない。だが、確かなことは言えない」(同氏)

■多くの分野で競合するが……

 Intersilの2015年における売上高は5億2200万米ドルだった。そのうち3分の2は、産業機器とインフラシステム向けの売上高が占めている(車載向けや航空宇宙向けも含まれる)。Maximは、車載、通信、データセンター、コンピューティング、民生および産業機器といった市場を対象としていることから、IntersilとMaximは、ターゲット市場、製品、技術の面からみて競合する部分が多い。

 それでもMaximは、「米国企業の買収契約について審査を行う対米外国投資委員会(CFIUS:Committee on Foreign Investment in the United States)による審査が長引き、取引が複雑になる可能性がある」として、Intersilにルネサスによる買収を選ばないよう強く求めているようだ。

最終更新:9月2日(金)13時37分

EE Times Japan