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焦点:サウジ、原油安容認を転換か アラムコIPO控え

ロイター 9月2日(金)13時44分配信

[ドバイ/ロンドン 1日 ロイター] - サウジアラビアが市場シェア確保を優先し、原油安を容認する姿勢を示してから2年が経った今、サウジは原油安にはもう「うんざり」と考えているようだ。これまでの原油安で財政が悪化している上、投資停滞による将来の供給不足も懸念される。さらに、国営石油会社アラムコの新規株式公開(IPO)が計画されていることも、サウジ「変節」の背景にありそうだ。

こうしたなか、石油輸出国機構(OPEC)の加盟各国と、ロシアなどその他の産油国は今月、アルジェリアで生産安定化に向けた協議を再開する見通しだ。原油価格の押し上げを目指した同様の協議は、4月にも行われたが、このときはサウジとイランの対立によって頓挫した。

OPEC筋は「サウジはアルジェリアで(増産)凍結を打ち出すつもりだ」と断言。「生産水準の見直し機運が高まっている」と話す。

OPECは2014年11月、サウジ主導で重大な政策転換に踏み切った。OPECの市場シェアを脅かしている、米シェールなど高コストの生産業者を駆逐しようと、減産を拒否。原油安を事実上容認した。

さらに2015年12月の総会では、OPECは公式の生産目標の設定を見合わせることで、高水準の生産を容認する姿勢を鮮明にした。

サウジのヌアイミ前石油鉱物資源相は2014年以降、原油価格を支援するような発言をほとんど行っていない。ヌアイミ氏は価格は市場が決定するというのが持論だったが、望ましいと考えている価格レンジや、長期的に持続可能な価格水準についてコメントしたこともない。

ところが、ファリハ・エネルギー産業鉱物資源相の就任後、原油価格をめぐるサウジの姿勢は明らかに変わった。ファリハ氏は、市場の均衡を達成するためには、原油価格はバレル当たり50ドルを上回る必要があると発言。需給を均衡させる役割を再び担う意思をにじませた。

実際に政策が大きく変わる兆候はまだない。ただ裏では、サウジは原油価格の押し上げに向けて、自ら行動しているようだ。関係筋によると、ウィーンで6月に開いた前回のOPEC総会では、ファリハ氏は新たな生産目標を設定することを提案し、他の加盟国を驚かせたという。

<アラムコIPO、サウジの石油戦略を左右>

サウジアラビアはOPECで最大の産油国であり、2位のイラクの2倍超を生産している。2014年半ば以降の原油価格下落は、サウジの財政状況に深刻な影響を及ぼしている。昨年は大規模な財政赤字に陥っており、増税や支出削減を余儀なくされた。

サウジ政府は原油以外の収入拡大や経済の近代化を目指しており、ムハンマド・ビン・サルマン副皇太子の主導で成長戦略「ビジョン2030」を立ち上げた。その中核を成すのがサウジアラムコのIPOだ。

石油産業の関係者によると、原油価格をめぐるサウジの変化はアラムコIPOで説明できるという。関係者の1人は、サウジは「アラムコのバリュエーションを押し上げるため、原油高を望んでいる」と話す。

アラムコの企業価値は最大4兆ドルに上る可能性があるとの声もある。ムハンマド副皇太子は少なくとも2兆ドルとの見方を示している。

別の関係者も、アラムコIPO控えるサウジは「原油価格の急落は望まないはず。50─60ドル程度が目標なのでは」と語った。

(Rania El Gamal記者、Alex Lawler記者 翻訳:吉川彩 編集:加藤京子)

最終更新:9月2日(金)18時6分

ロイター

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

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