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岩手・岩泉の龍泉洞、台風10号豪雨で地底湖あふれた

スポーツ報知 9月3日(土)6時4分配信

 岩手県岩泉町にある国指定の天然記念物で、日本三大鍾乳洞のひとつ「龍泉洞(りゅうせんどう)」が台風10号による豪雨で過去最大級の被害に遭っていたことが2日、分かった。地底湖の水があふれ、内部の通路が冠水した。水は入り口から噴き出した状態で、一般公開の再開時期は未定。同じく天然記念物に指定されている洞内のコウモリの“安否”も不明となっている。

 龍泉洞事務所によると、台風10号が上陸した8月30日午前、地底湖の水位が上がって洞内の通路などが水没した。31日早朝には入り口から濁った水が噴き出しているのが確認された。30日から休業していたため、けが人被害はないが、あふれ出た水によって洞外にある遊歩道のコンクリート部分が破損したほか、隣接するカフェの店内も浸水した。23日に台風9号が東北地方を北上した際も地底湖の水位が上がったため、一般公開を中止。25日に公開を再開したばかりだった。

 山口県美祢市の秋芳洞(あきよしどう)、高知県香美市の龍河洞(りゅうがどう)と並んで日本三大鍾乳洞のひとつに数えられる龍泉洞。「ドラゴンブルー」と称される神秘的な青色をたたえる地底湖が人気で、年間約17万人の観光客が訪れている。冠水すると青色の水は濁ってしまう。再び透き通るまでには、少なくとも1週間単位の時間が必要で、ひたすら待つしかないという。

 現在は職員も洞内に立ち入れない状態のため、被害の全容は明らかになっていない。昨年9月の大雨の際も冠水するなど、過去にも地底湖の水があふれたケースはあるが、今回はこれまでに例のない水量だという。三上薫所長は「一日も早く再開したいと思いますが、被害状況が分からないので時期は未定です。とにかく安全面を最優先したいと思います」と話している。

 龍泉洞は、一般公開されているのは入り口から約700メートルの範囲だが、調査では洞内の総延長は3600~5000メートルに及ぶことが明らかになっている。高低差は249メートルで、水が噴き出した入り口は中間部にある。地底湖は少なくとも7つが確認されており、公開されている3つのうち、最も深いものは水深100メートルを超える。東日本大震災の発生時は、干上がる被害にも見舞われた。

 洞内には、ウサギコウモリなど5種類のコウモリが生息。これらも天然記念物に指定されており、観覧の名物となっている。洞外へと脱出する穴はあるというが、現段階での“安否”は不明という。

最終更新:9月3日(土)7時55分

スポーツ報知