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海中生物絶滅の過程克明に 古生代と中生代の境界露頭

両丹日日新聞 9月2日(金)8時0分配信

 京都府福知山市三和町菟原下の個人所有の山林に露出している古生代(約5億4千万年-約2億5千万年前)と中生代(約2億5千万年-約6600万年前)の境界「P/T境界」を、市が指定文化財(天然記念物)指定した。海中生物の大量絶滅があった古生代最後の紀・ペルム紀末の様子を示す地層で、国内で数例しかないという。

 P/T境界は、2011年から3年かけて実施した市天然記念物等総合調査時に地元から情報提供があり、露頭が確認された。指定されたのは林道沿いのがけのうち幅約13メートル、高さ約9・45メートルの部分。P/Tは、ペルム紀(Permian)と中生代最初の紀の三畳紀(Triassic)のそれぞれの頭文字を取っている。

 海中生物の大量絶滅の原因は、シベリアの巨大火山噴火を引き金にして、大量の溶岩が流れ、火山灰が地球を覆い、海底に酸素が届かなくなったという説が有力。三葉虫など古生代の海中生物の9割までが途絶えたと考えられ、地球史上最大規模の絶滅事件ともいわれる。

 文化財指定されたP/T境界は、大昔の海の中の地層。下から、チャート、灰色の珪質頁岩(けいしつけつがん)、境界を挟んで黒色の粘土岩の順に積み重なっている。

 境界より下の層には放散虫やコノドントの微小化石などが確認されているが、その上の層ではほとんど化石が確認されておらず、連続する地層から海中生物が絶滅していく過程が分かるという。

 市文化財保護審議会(井上正暉委員長)の答申を受けて、「学術資料として極めて貴重で、重要であるため、文化財として後世に伝えていく価値がある」と評価。8月24日の市教育委員会で文化財指定が決まった。

 市の指定文化財はこれで141件になった。このうち天然記念物は23件で、地質鉱物関係では「夜久野町内採取化石」に続いて2件目。

 市では、文化財保護と普及・啓発の観点から、説明文を入れた看板を、今年度内に現地に立てる予定。

両丹日日新聞社

最終更新:9月2日(金)8時0分

両丹日日新聞