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8月の米雇用統計、5つの注目点

ウォール・ストリート・ジャーナル 9月2日(金)11時37分配信

 米労働省は東部時間2日午前8時30分(日本時間午後9時30分)に8月の雇用統計を発表する。夏場に盛り返した雇用の伸びが続くかどうかに注目したい。エコノミストらは、非農業部門就業者数が前月比18万人増加し、失業率は7月の4.9%から4.8%へ低下したと予想している。以下に五つの注目点をまとめる。

1. 雇用のペース

 非農業部門就業者数は6月に29万2000人増、7月に25万5000人増と、2カ月間の雇用創出としては今年最高を記録した。5月の雇用統計が低調だったことで生じた懸念はこれで和らいだ。ただ、今年全体の雇用の伸びはまだ過去2年のペースを下回っている。8月に伸びが減速するのか、過去の月に修正があるのか見極めたい。

2. 失業率

 失業率は5%を下回り、リセッション(景気後退)後の最低付近にとどまるとみられている。大統領選挙が大詰めを迎えるのに伴い、この数字には一段と注目が集まるだろう。だが、職探しを諦めた人ややむなくパートタイム職に就いている人も含めた広義の失業率にも目を向けたい。景気拡大は7年目に突入しているが、広義の失業率は公式失業率に比べて高止まりしている。

3. 賃金の伸び

 7月は平均時給が前年同月比2.6%の上昇となり、景気拡大期における最高の伸びに並んだ。賃金の伸びが続けば、労働市場がさらに引き締まっている兆候となり、年後半の個人消費を下支えする可能性が高い。

4. 労働参加率

 雇用と賃金が上向き、失業が減少する一方で、労働参加率は40年ぶり低水準をやや上回っているに過ぎない。同参加率は3月に今年最高をつけた後、低下傾向にある。労働力から外れている人の数が多いことは、統計上の数字が示す以上に労働市場のスラック(余剰資源)が多いことを示唆している。

5. 金融政策への影響

 8月の雇用統計は、米連邦準備制度理事会(FRB)にとってどんな意味を持つかという点で注目されるだろう。雇用が底堅く失業率が安定していれば、昨年12月以来の利上げを今月実施する正当性が高まるかもしれない。だが、5月のように予想を大幅に下回った場合、FRBは検討し直す可能性が高い。イエレンFRB議長は先週、「われわれの決定は常に、発表される経済指標がどれだけ連邦公開市場委員会(FOMC)の見通しを確認し続けるかに左右される」と述べた。

By ERIC MORATH

最終更新:9月2日(金)11時37分

ウォール・ストリート・ジャーナル