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[インタビュー]「慰安婦被害者」排除した韓日合意でむしろ対立が深まった

ハンギョレ新聞 9/2(金) 7:06配信

「慰安婦証言」初めて報じた元朝日新聞記者、植村隆教授

1991年、金学順さんの証言、初めて報道 
2年前、右翼メディアから「捏造記事」攻勢受ける 
カトリック大学の招聘で「東アジアの平和」を講義 
「和解に向けた両国の学生たちの窓口になりたい」 

「12・28韓日合意」20年前より後退 
「日本政府の真心と反省だけが解決策」


 「韓日の政治指導者の慰安婦問題に対する認識のレベルが、過去よりもむしろ退歩しました。日本政府は誠実ではなかったし、韓国政府は先を急ぎすぎました」

 先月31日、京畿道富川(プチョン)にあるカトリック大学で会った植村隆(写真)カトリック大招聘教授は、「12・28韓日合意」に対し低い点数を付けた。彼は「約20年前、慰安婦動員過程の強制性を認めた『河野談話』よりもむしろ後退した合意」だと評価した。

 彼は朝日新聞記者時代の1991年8月11日、故金学順(キムハクスン)さんの「慰安婦被害事実」に関する記事を書いた。これは、保守的な儒教文化の下、「性的搾取」の被害を受けたにもかかわらず、一生隠して暮らさなければならなかった韓国国内の慰安婦被害者に光を当てた最初の報道だった。それから3日後、金さんは記者会見を開き、自分の存在を世に知らしめた。

 植村教授は「12・28合意でも、日本政府は慰安婦被害者に直接謝罪しなかった。韓国政府もそれに目をつぶっている。しかし、当事者が排除された合意は問題を解決するどころかさらに解決を困難にするだけだ」と指摘した。

 今年3月、富川カトリック大学ELP学部の招聘教授として来韓した彼は、「東アジアの平和と文化」について講義を行っている。1982年に朝日に入社して以来、2014年3月まで30年以上記者として活動しながら、ソウル特派員、中東特派員、北京特派員などを務めた。 神戸松蔭女子学院大学の専任教授に内定していた彼は2014年1月、「週刊文春」に「“慰安婦捏造”朝日新聞記者がお嬢様女子大の教授に」と題する記事が掲載されてから、日本の右翼の集中攻撃を受け始めた。彼らの圧力により、結局、神戸松蔭女子学院大学側は雇用契約を取り消してしまった。

 彼が講師を務めていた北海道の北星学園大学にまで右翼の攻勢が続いたが、これに反対する日本の知識人たちが会を結成し、上村教授を支援したことで契約の延長に成功した。北星学園大学とカトリック大学は、交流関係を結んでいる。

 彼は大学で、慰安婦証言を紹介した記事が原因で右翼勢力の無差別攻撃を受けている自分の話や三一独立運動と5・18民主化運動など、近現代史を素材に平和と人権について考える講義をしている。

 「平和や人権は自ら作り上げていくものであって、誰かが作ってくれるものではありません。生活の中でいつもこれらについて考え、行動することで、より平和な社会、人権が拡張される社会を作ることができるという主旨の講義です」

 本と印刷物に埋もれている彼の研究室の机の片隅に、尹東柱(ユン・ドンジュ)詩人の詩集『空と風と星と詩』が置かれていた。「尹東柱の詩が好きだ。彼の詩の世界そのものが独立と平和を語っている。だから、尹東柱の詩も授業に取り入れている」と彼は説明した。

 韓日両国は12・28合意を通じて「最終的かつ不可逆的」な解決に向けて一歩を踏み出したと評価したが、韓国国内での慰安婦問題はまだ解決されていない。

 「慰安婦問題は単純に一度の合意では解決できません。ドイツの首相は、ホロコーストについて謝罪を重ねています。慰安婦問題はお金と約束の問題ではなく、真心と反省の問題だからです。日本政府は、河野談話を継承し、謝罪を続けると共に、記憶の継承作業を通じて日本人の心の中に少女像が根付くように努めなければなりません」

 彼は韓国政府についても「世論調査の内容を見ると、少女像の撤去に反対する人が多い。韓国政府が慰安婦問題を性急に解決しようとして、むしろ新たな対立をあおっているような気がする」と指摘した。彼はさらに「両国の市民たちが従軍慰安婦問題をきちんと理解し、和解と協力を優先する方向で問題を解決する必要がある」と付け加えた。

 彼は現在、自分を不当な論理で誹謗した「週刊文春」と右翼論客の西岡力・東京基督教大学教授に対する損害賠償訴訟を進めている。裁判準備のために、日本と韓国を行き来する日々を送っている。にもかかわらず、彼が韓国にきた理由は明らかだ。「和解に向けた両国の学生たちの窓口になりたいと思います」

富川/イ・ジェウク記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:9/2(金) 8:21

ハンギョレ新聞

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