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「大使館前100メートル以内での集会は許容」判決を無視する米大使館

ハンギョレ新聞 9月2日(金)12時0分配信

米大使館、ソウル行政裁判所の判決に対し鍾路警察署に「憂慮」表明 「暴力デモに変質する可能性…大使館近隣での集会・デモ全て禁止」要求 「駐在国の司法判決を無視、内政干渉に映りかねない」批判も

 駐韓米国大使館が「集会が大規模に拡散する恐れがなければ、大使館から100メートル以内でも集会を開くことができる」とするソウル行政裁判所の判決を無視し、管轄警察署に「大使館前での集会を規制してほしい」と要請していたことが確認された。

 共に民主党のチン・ソンミ議員が1日ハンギョレに公開した文書によると、駐韓米大使館はキース・バーン保安局長の名前で7月5日、鍾路(チョンノ)警察署長宛てに送った書簡で「米大使館は『大使館から100メートル以内で集会を開くことができる』としたソウル行政裁判所の最近の判決に対して憂慮(concern)している」とし、「警察当局が(米大使館の)安全距離で行われるすべての集会・デモを禁止することが、大使館施設と職員に対する安全、保安を保障するための慎重な処置になるだろう」と明らかにした。

 バーン局長は特に「米大使館は、平和デモであってもいつでも暴力デモに変質する恐れがあるという点を念頭に置いている」とし、「米大使館入り口のすぐ前や隣接距離で反米感情を表出する集会・デモが行われていることを懸念している」と話した。「集会・デモ参加者が大使館の隣接距離にいる場合、大使館業務に支障を与えたり、通勤する大使館職員の不安を誘発し得る」というのが理由だ。

 米大使館がこのような公文書を発送した後、鍾路警察署は7、8月に市民団体「平和と統一を開く人々」(平和統一人)が申告した集会を相次いで禁止した。鍾路警察署の関係者は「公文書は法を適用する上で参考事項のひとつにすぎない」とし、「集会およびデモに関する法律(集会デモ法)に従って以前のように大使館100メートル以内での集会を禁止したのみ」と釈明した。警察はソウル行政裁判所の判決を不服として控訴状を出したため、最終判決が出るまでは現行方針を維持するという説明だ。

 しかし、米大使館と鍾路警察署のこのような処置は、事実上司法部の判決を無視したも同様という批判が出ている。建国大学法学専門大学院のハン・サンヒ教授は「平和な業務遂行が困難であるという明白かつ現存する危険が発生しない限り、外国機関は駐在国の国内法を尊重しなければならない」とし、「公文書形式の書簡は、それ自体が内政干渉と誤解される素地がある」と話した。ハン教授は鍾路警察署が裁判所の判決に従わないことに対し「司法部の権威を無視するだけでなく、法に従うと言いながら法を無視する態度」だと批判した。

 これに先立ち、ソウル行政裁判所行政5部(部長判事カン・ソクキュ)は、6月に平和統一人が「米大使館近くの集会禁止処置を取り消してほしい」と訴え鍾路警察署署長を相手に起こした訴訟で「大規模な集会・デモに拡散する恐れがない場合には、外交機関から100メートル以内で集会を開催してもよい」という集会デモ法の例外条項をあげ、警察の処置は違法との判決を下した。

コ・ハンソル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)

最終更新:9月2日(金)12時0分

ハンギョレ新聞

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