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見附島、市文化財に 奥能登屈指、珠洲の観光名所

北國新聞社 9/2(金) 2:21配信

 珠洲市教委は、奥能登屈指の観光名所である同市宝立町鵜飼の見附島を、市文化財の天然記念物に指定した。1100~250万年前の珪藻(けいそう)泥岩が残る貴重さなどが評価された形だが、「まだ『無冠』だったことの方が意外」と関係者を逆に驚かせている。「遅ればせながらの指定」(泉谷満寿裕市長)となったが、市教委は今後、県文化財指定を働き掛けるなどして、学術的価値を発信する。

 市教委によると、きっかけは2年前、職員から上がった疑問の声だった。「見附島が文化財に指定されていない方が不思議だ」。これを機に昨年度、地層と植生の学術調査が行われることになった。

 調査の結果、島は海底の植物プランクトンの堆積物が陸地化し、長年の浸食で現在の形になったと確認された。最上部にはモチノキやタブノキ、ヤブツバキなどが密生し、かつて陸続きであったころの植生を残していることも分かった。

 市文化財保護審議会は8月19日、「宝立町周辺の内浦沿岸の地形形成過程を知る上で貴重な地質学資料」として、見附島の指定を市教委に答申し、同24日付で指定された。

 泉谷市長は「見附島の学術的価値をアピールすることで能登の里山里海の魅力を高め、交流人口の拡大にもつなげたい」と話した。

 珠洲市正院町正院の須(す)受(ず)八幡宮の秋祭りで行われる加賀藩主前田家ゆかりの「正院奴(やっこ)振り」も24日付で、市無形民俗文化財に指定された。

 正院奴振りは江戸時代後期の天保年間の始まりとされ、1853(嘉永6)年に13代加賀藩主前田斉泰(なりやす)が能登巡見で正院を訪れた際に住民が奴振りで出迎えたところ、格別の称賛を受けたと伝わる。

 祭り装束「どてら」姿の若衆が行列を組んで町を歩き、長さ2・5メートルの毛やりを投げ渡す妙技などの所作が、民俗芸能として高い価値があると認められた。指定の動きに合わせ、8月10日には「正院奴振り保存会」が発足した。

北國新聞社

最終更新:9/2(金) 2:21

北國新聞社