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旧彩色の痕跡を確認、羽咋・妙成寺五重塔の彫刻 柱の文様も二つの様式

北國新聞社 9/2(金) 2:21配信

 羽咋市と北國総合研究所が同市滝谷町の日蓮宗(にちれんしゅう)本山妙成寺(みょうじょうじ)で進めている多面的調査で、五重塔内部の彫刻に現在も残っている彩色の下層に、さらに古い時代に施された彩色や墨線の痕跡があることが1日分かった。塔内部の柱には、異なる二つの様式で描いた文様も確認した。今後、塔に関する文献調査も交えながら、製作年代の考察や建立当初の彩りの分析を進める。

 彩色調査は、羽咋市と北國総研の委託を受けた天野山文化遺産研究所(大阪)が31日から本格的に開始した。1日は山内章代表ら2人が五重塔内部にある四天柱上部組物間の彫刻や柱の文様を赤外線撮影するなどの調査を行った。

 その結果、彫刻で表現された天女が、琵琶を弾くために手にしているバチの色は、現在は金色なのに対し、彩色がはがれ落ちた木地の表面から薄紫色が見つかった。

 彫刻の別の場所には、天女の顔の彩色がはがれ、木地が露出している部分がある。そこには、天女の顔に現在も残っている彩色とは別の描き方で、目の輪郭や眉、額の白毫(びゃくごう)が墨で表現されていた。

 さらに、柱の表面の文様では、白地の上に赤い顔料で唐草模様を描いた後に金(きん)箔(ぱく)を貼り付けた古い様式と、柱全体に金箔を貼った後に顔料で唐草模様を描いた新しい様式が確認された。

 今回の調査では、新旧それぞれの制作年代は特定できなかったものの、今後も彫刻や四天柱について考察を続ける。天野山文化遺産研究所は11月以降にも現地調査を行い、データをまとめる。

北國新聞社

最終更新:9/2(金) 2:21

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