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【現役続行】吉田沙保里「東京五輪の勝算」

東スポWeb 9月3日(土)6時6分配信

 リオデジャネイロ五輪レスリング女子53キロ級銀メダリストの吉田沙保里(33)が1日、現役続行へ意欲を見せた。今後の去就については時間をかけて考える姿勢は変わらないものの、4年後の2020年東京五輪への特別な思いを明かした。国内外でその強さはいまだに突出しており、再びマット上で雄姿を見せる可能性は十分ありそうだ。

 吉田は1日、吉本新喜劇の小籔千豊(42)が司会を務める関西テレビのスポーツ番組「イキザマJAPAN リオSP」の収録後、大阪・箕面市で取材に応じ「(次の五輪が東京でなければ)多分引退って言っていると思う。こんな機会は絶対ないので、出られるものなら出たい」と4年後の東京五輪出場へ意欲を見せた。

 吉田はリオ五輪決勝でヘレン・マルーリス(24=米国)に敗れ、4連覇を逃した。全ての力を出し尽くした今、すぐに次の舞台に向けて確かな一歩を踏み出すことは難しい。血のにじむような練習を重ねなければ五輪の舞台には立てないことも、吉田自身が一番よく分かっている。「まだ4年あるので、1、2年(試合に)出なくても(五輪で)代表になれたらという考え方もある。時間をかけてゆっくり考えていきたい」と心境を明かした。

 その一方、吉田の師匠である日本レスリング協会の栄和人強化本部長(56)は「僕は東京五輪を目指してほしいと思う。吉田には五輪でのリベンジができると思う」と明言。37歳での金メダル獲得も吉田なら可能であると話している。さらに栄本部長は「決勝の米国戦は、戦略を変えれば次は勝てる」と強調。吉田に勝ったマルーリスと力量差はなく、再戦となれば勝てるとの自信を見せている。準決勝までは吉田の技術の高さ、動きは際立っており、まだまだ国際舞台でも十分勝ち続ける実力があるというわけだ。

 東京五輪出場のためには、国内で若手の追い上げを突き放す必要があるものの、まだまだ力の差は大きいという。リオ五輪直前の時点でも「誰とやっても吉田にはまだ勝てない。強いよ。体力トレーニングでも、若手ができないメニューがきちんとできたりするから」(栄本部長)と実力は抜きんでていた。4年後には若手も実力をつけてくることは間違いないが、ここからの“霊長類最強の女”の進化もあなどれない。

 すでに栄本部長は母校の至学館大レスリング部や女子日本代表でのコーチを務めながら、現役を続けることを提案している。これまでも至学館大では後輩たちを指導しながら練習しており、技術面だけではなく、精神面でも手厚い指導力には定評がある。吉田自身も栄本部長の提案に「ありだな、と思っている」と前向きだ。

 改めて銀メダルを手にして「今はこのメダルが新鮮だし、大好きです」と話している吉田。敗戦を経験したことが、今後の人生に大きく役立つことは間違いない。まずはゆっくり心と体を休めながら、吉田を慕う後輩とともに切磋琢磨を続けて、進むべき道を定めるつもりだ。

最終更新:9月3日(土)6時12分

東スポWeb