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浪費癖は親ゆずり? 拡大するローン地獄 金融リテラシー教育の本場・英国

ZUU online 9/3(土) 11:40配信

世界一の個人負債大国・英国で、「浪費癖は親ゆずりである可能性が高い」という興味深いレポートが発表された。

「次の給料日前にお金を使い果たしてしまう」と回答した成人の半分、「収入よりも支出が多い」と回答した成人の3分の1が、自分の両親にも同様の浪費癖があったことを認めている。

金融リテラシー教育の本場で、一体何が起こっているのか。

■子供にとって最大のリテラシー教育は親

英大手銀行TBSが実施したこの調査では、親の金銭感覚や財政状況に関係なく、「子供にとって最大のリテラシー教育は親である」事実が浮彫りになっている。

クレジットカードを乱用している成人の60%の親が、やはり重度のカード依存症であったこと、消費者金融の利用者の3分の2の親が同様の融資を利用していたなど、「お金の歴史は繰り返す」といった印象を強く受ける。

そもそもお金の管理の入り口となる銀行からして、34%の成人が「初めて開設した銀行口座を現在も利用している」が、そのうち31%が「親が開設してくれた」と、成人後も親の決めた銀行を利用しつづけている。

また約25%が「(新規口座を開設する場合)親と同じ銀行にする」と回答していることから、親の影響の偉大さがうかがわれる。

手続きのわずらわしさ、身近な人間がすでに利用しているという安心感など理由はそれぞれだろうが、「とりあえず親と同じにしておけば安心」という思考が、いい意味でも悪い意味でも子供の金銭感覚に、長く深く影響を与えるということだ。

しかし低金利の影響からか、クレジットカードの利用者は年々増加傾向にあり、将来的には浪費癖から抜けだせない成人の数も、ますます増えていくのではないかと懸念されている。

■小遣いを与えるだけでは金銭感覚は身につかない

英国の個人負債問題は成人だけではなく、若者の間でも急激に広がっている。

英非営利消費者金融アドバイス機関「マネー・アドバイス・トラスト」の調査からは、18歳から24歳の若者の37%が平均2989ポンド(約41万円)の負債に悩んでいることがわかっている。

この負債には住宅ローンや学資ローンは含まれておらず、16%がクレジットカード(平均856ポンド/約12万円)、15%が借越(平均1180ポンド/約16万円)、12%が家族や友人からの借金(平均4644ポンド/64万円)という内訳だ。

37%が「返済のあてはない」と答えており、計画性に欠けた借金であることがわかる。社会にでれば、ここに学資ローンの返済が圧を加えることになる。

米国と並んで金融リテラシー教育が発展しているはずの英国で、どこかの歯車が確実に狂い始めているのは明白だ。

5歳から18歳の子供をもつ英国の親1500人を対象にした、英クレジット信用格付け会社、Experianのサーベイでは、約51%が「金銭感覚を早いうちから学ばせるために、小遣いを渡している」、58%が「お金を稼ぐことの大変さを理解させるために、何らかのタスクを与えて(家の手伝いなど)、報酬として与えている」と、回答を見る限り正当なリテラシー教育が行われているように見える。

しかしここで気になるのは、小遣いを渡す頻度だ。59%が週単位で小遣いを与えており、10%が特に頻度を決めていない。

成人してからの一般的な収入サイクルは1カ月である。週に一度の短期サイクルや不定期な収入に慣れきった子供に、成人した途端、その4倍ほどの長さの収支計画を立てろというのは、多少なりとも強引な気がする。

また子供にはリテラシーを説く一方で、親が浪費に走っていては、本当に価値のある成果が生まれないということは、前述した「親の歴史の繰り返し」でも立証されている。

リテラシー教育を徹底するのであれば、まずは親が自分自身の金銭感覚を磨き、子供の年齢や状況に応じたアドバイスを行うことだ。(ZUU online 編集部)

最終更新:9/3(土) 11:40

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