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U-18アジア選手権ではっきり 野球が五輪に向かない理由

日刊ゲンダイDIGITAL 9月3日(土)9時26分配信

 見るも無残だった。

 1日に行われたU―18アジア選手権。日本はインドネシア相手に、35対0で五回コールド勝ち。先発の藤嶋(東邦)が参考記録ながら完全試合を達成すれば、打線も22安打の猛攻だった。

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 インドネシアは、攻守で野球の体をなしていなかった。去る30日に対戦した香港にしてもそうだ。アジア大会といっても実質的には日本、韓国、台湾に中国を加えた「四つ巴」の戦いである。

 アジアは世界の中で、比較的野球が盛んな地域といわれている。インドネシアなどの国では野球は発展途上とはいえ、未来を背負う高校生がこの状態では先行きは暗い。

 たとえば中国においても、野球はいつまでたってもマイナースポーツから脱することができないのが現状だ。MLBは13億人市場の中国は放映権料が見込めるとあって、多額の投資を行ってきた。09年に江蘇省にアカデミーを設置する以前からスカウトを派遣。昨年はアカデミー出身の許桂源がオリオールズとマイナー契約を結び、中国人初のMLB所属選手となった。それでも野球に対する国民の注目度はまだまだ低い。

「中国国内にプロ球団もありますが、08年北京五輪後に野球が正式種目から外れたこともあり、国も企業もうまみがないと判断。野球にカネも人材も投入してないことが発展しない要因です。タイ、インドネシアなどの東南アジアでも野球は頭打ち。日本人スタッフが現地で指導し、日本の用具メーカーが道具を提供するなどいろいろと手を打ってはいるものの、少年期から大人になるまで野球が続けられる組織も設備もない。日本人が積極的に野球振興に関わっているタイですら、来春WBCの予選に出場できない。国家プロジェクトとして動かないことには野球は普及、発展しようがない」(スポーツ紙記者)

 環境が向上しないのなら、選手が育つはずもない。

■東京五輪は参加6チーム

「特に、投手の育成が簡単にはいかないと思う」

 とは、米ブレーブス国際担当スカウトの大屋博行氏。

「投手が速い球を投げるには、1年、2年練習しただけでは難しい。少年期から肩、肘の耐久性を高め、効率の良い投げ方を掴む必要がある。それには緊張感を持って勝負できる実戦の機会が必要不可欠。日本、韓国などのように子供の野球人口が多い国ではまだしも、他の国々はそういう機会がない。変化球を身につけようにも、映像で見ることはできても、実際に生身の人間から教わったり、体感することができない。まずは投手が育たないことには、野球レベルは上がっていかないのです」

 投手が育たなければ、いい野手も出てこない。打撃はマシンを打つなどしてある程度はレベルアップしても、守備は実戦で生きた球を処理しなければ磨かれない。今回のアジア選手権を見れば、一目瞭然だ。

 野球が東京五輪で復活するといっても、参加チームは6カ国で、しかも東京の1度きりだといわれている。メジャーリーガーの派遣などMLBの協力が見込めないことも原因となっているが、アジアの若者の現状を見れば理由はそれだけではないのだ。

最終更新:9月3日(土)11時37分

日刊ゲンダイDIGITAL

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