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日本いきなり剣が峰 UAE戦黒星でもハリル監督でいいのか

日刊ゲンダイDIGITAL 9月3日(土)9時26分配信

 リオ五輪を熱心にテレビ観戦し、日本選手のメダルラッシュに喜びを隠さなかったハリルホジッチ日本代表監督。ロシアW杯アジア最終予選初戦のUAE戦(1日=埼玉スタジアム)を1―2の逆転負けで落とし、一夜明けて2日になっても「サッカーには、五輪みたいにチャレンジという制度はないのか!」と大声を上げて叫びたいことだろう。

 前半11分にFW本田圭佑(30=ミラン)が先制のヘディングシュートを決めた。だが、日本の見せ場はここまでだった。

 その9分後。DF吉田麻也(28=サウサンプトン)が、ゴール正面15メートルの地点で相手選手を倒してしまい、微妙な判定の末に与えたFKを叩き込まれてしまった。

 後半9分には、日本のペナルティーエリア内で相手MFを日本の3選手で囲い込み、この試合がA代表デビューのMF大島僚太(23=川崎)がボールを奪おうとした場面でUAE選手が大げさに倒れ、これをPKと判定されて日本はあっさりと逆転されてしまう。

 ハリルホジッチは後半17分、MF清武弘嗣(26=セビージャ)に代えてFW宇佐美貴史(24=アウグスブルク)を、21分に岡崎慎司(30=レスター)に代えてFW浅野拓磨(21=シュツットガルト)を投入。30分には大島に代えてFW原口元気(25=ベルリン)をピッチに送り込んだ。その3分後、浅野の左足シュートを相手GKが左手でかき出したが、再生映像ではゴールラインを割っていたように映し出された。しかし、カタール人主審の判定はノーゴール。

 日本はシュートを22本(UAEは9本)放ちながら1点どまり。大事な最終予選初戦を勝ち点0という無残な結果に終わった。

■4日と2カ月…強化期間の差はっきり

 サッカージャーナリストの六川享氏が言う。

「UAEもそうだが、近年の中東勢は、堅守から前線の強くて足の速いFWに縦パスを放り込む伝統的なサッカーから、ボールをきちんとつないでいくポゼッションサッカーを織り交ぜるようになった。それでもUAEは日本に対して堅守速攻で臨むと思ったが、技術の高い選手がボールをしっかりつないで試合のリズムをつくり、機を見て俊足FWマブフートを走らせるなど、日本に対してオープンな戦い方を仕掛けてきた。試合結果は、チームの熟成度の違いも影響した。日本の練習時間が計4日だったのに対してUAEは約2カ月の代表合宿を敢行。しかも代表選手の大半がアルアインとアルアハリの2クラブ所属とあって、コンビネーションの面で日本を上回っていた。日本は、たとえばMF長谷部がボールを持った際、攻撃陣の岡崎、本田、香川、清武と息が合わず、パスを出すタイミングが合わないシーンもあった。試合後にハリルホジッチ監督も言っていたが、この日のUAEは決定機も多かったし、チームとしての出来も良かった。勝利に値する戦いぶりと言えます」

■大島、原口の使い方に疑問の声

 もちろん日本が負けるべくして負けた──という要素も見逃せない。

「指揮官の選手起用と采配、選手たちのプレーぶりに対して疑問が残る」と話すのは元ワールドサッカーグラフィック編集長の中山淳氏だ。

「アタッカー陣は、個人のアイデアに頼り切った《アドリブ的攻撃》を繰り返すばかり。中盤は組織立った守備ができていないし、DF陣にしても後半半ば以降、相手カウンターにさらされて失点するピンチが何度もあった。これはハリルホジッチ監督の選手起用、采配のまずさにも起因している。UAE戦でリオ五輪代表の大島が代表デビューを果たしたが、大島を評価して試合に出すのであれば、緊張感の増す最終予選初戦ではなく、どうして2次予選などで実戦テストをしなかったのか。原口の使い方にしても、交代した大島のポジションであるセンターMFで起用したのは大きな間違い。彼は攻撃の切り札であり、センターMFでは守備的なプレーも強いられ、それは原口の持ち味を生かし切れず、むしろ攻撃面の良さを消しているとしか思えない起用法です。局面に応じて4(DF)―2(MF)―3(FW)―1(トップ)のフォーメーションを変える柔軟性も感じられないし、これから先、ハリルホジッチ監督体制で最終予選を突破できるのか、日本サッカー協会はシビアに検証しないといけないでしょう」

 現行の32チーム出場となった98年W杯のアジア最終予選以降、初戦に負けたチームが本大会に出場した例はない。受け入れがたい「疑惑の判定」もあったが、ハリルホジッチ日本、いきなり崖っぷちに立たされた。

最終更新:9月3日(土)9時26分

日刊ゲンダイDIGITAL

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昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。