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リオ五輪メダルラッシュで感じた「速報テロップの功罪」

東スポWeb 9月3日(土)16時55分配信

 リオ五輪の日本のメダルラッシュ(金12個、銀8個、銅21個)に、寝不足に陥った国民は多いだろう。

 ただその活躍を生中継したテレビ局に対して、理解できないことが一つある。競技が終わって勝敗が決まった直後、その結果をなぜニュース速報で流す必要があるのだろうか?

 テレビを見ていて、これほど興ざめすることはない。個人的に覚えているのは、バドミントンの“タカマツペア”高橋礼華、松友美佐紀組が金メダルを取った時のことだ。

 16?19とリードされ、絶体絶命の状況から連続5ポイントを奪い、見事に金メダルを獲得したシーンは、今回のリオ五輪全体を見ても最大のハイライトだったと言っても過言ではないだろう。

 しかし大逆転で勝った直後、ニュース速報で「女子バドミントンの高橋礼華、松友美佐紀組が金メダル」というテロップが、なぜ流れるのか? 思わず「見てるから分かるよ!」と、真夜中に1人でテレビにツッコんでしまった。

 こういったニュース速報は、オリンピック以外でもよく見かける。大相撲でも優勝が決まった瞬間、「パララン、パララン」という音とともに“ニュース速報”というテロップが流れ「○○場所で横綱・△△が●度目の優勝」という文字が流れる。大相撲中継を見ている人に対し、なぜ相撲の結果を記すニュース速報を流す必要があるのか?

 ある民放関係者は「視聴者には違和感があるでしょうね。生中継で放送していることをニュース速報なんて流す必要なんて全くない、とみんな分かってはいるけど、改善しようという意見すら出てこない」と明かす。

 最近は、視聴者の方がすっかり慣れてしまっている面もある。「五輪でメダルを取ったり、大相撲で優勝が決まった時にニュース速報を流しても、抗議はほとんど来ないですから」(同)

 しかし本来は、視聴者がニュース速報に慣れてしまうのは非常に危険なことだ。5年前の東日本大震災が起きた直後には、津波が日本列島を襲った。こういう時にメディアは、視聴者に避難を呼びかける責務を負っている。

「最近は自然災害も多いからニュース速報は大事。それなのに視聴者が『また放送と同じニュース速報が流れてる』と、危機感を感じなくなってはいけないんですけど…。ニュース速報は、ホントに必要なニュースを流さなきゃいけない」(同)

 こう言うと、中には「自然災害のニュースなんてスマートフォンとか、インターネットで分かるだろ」などと言う人もいるかもしれないが、実際にはインターネットを使っていないお年寄りなども数多い。そういった人のためにこそ、テレビ局はもっと配慮してほしいものだ。

最終更新:9月3日(土)16時55分

東スポWeb