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約10年ぶりに山車自作「山車の魅力、次世代に」 六戸秋まつり

デーリー東北新聞社 9月3日(土)12時35分配信

 六戸町で開催中の「六戸秋まつり」で、上町(かみちょう)町内会が約10年ぶりに自作した自慢の山車を披露している。これまで三沢市から借りて運行していたが、「子どもたちに祭りと山車の魅力を伝えたい」と一念発起。若手が中心となって作業を進め、完成にこぎ着けた。制作責任者の剱吉(けんよし)洋行さん(44)は「これからも山車作りを続け、地域の伝統にできれば」と意気込む。

 まつりには9町内会が参加、半数以上が他の自治体から借りた山車を運行している。15年ほど前、上町町内会を含む6町内会が自らの手で制作した時期もあったが、手間がかかるなどの理由で減少し、昨年は三つになった。

 上町町内会は近年、三沢市から借りた山車を運行。しかし、町内の道路は幅が狭く、電線があるため、仕掛けを広げたり、せり上げたりすることが難しかった。

 「これでは子どもに山車の魅力が伝わらず、祭りに関わり続けたい気持ちにならないのではないか」。危機感を抱いた剱吉さんは、地域の若手でつくる「31日会」(沼田洋平代表)のメンバーと話し合い、山車作りの再開を決めた。

 子どもにも分かりやすいよう、題材は「桃太郎の鬼たいじ」とし、剱吉さんが初めて山車絵を描いた。5月からの連日の作業では、ノウハウを持つ町の社会教育団体「楓(かえで)組」(渡辺俊一会長)のサポートを受け、地域に住む小中高校生約20人の協力も得て完成させた。

 参加した八戸工大二高3年の吉田悠樹さん(17)は「ずっと山車作りをしてみたかった。仲間と一緒に充実した時間を過ごせた」と笑顔で振り返る。

 1日の前夜祭、2日のお通りで山車を披露すると、桃太郎一行と鬼が対峙(たいじ)する迫力の場面が注目を浴びた。

 山車審査では惜しくも2位だったが、剱吉さんは「制作再開1年目としては十分」と満足げ。4日のお還(かえ)りへ向け「とにかく、子どもたちに楽しんでほしい。そのために作ったんだからね」。祭りの“主役”を優しく見つめていた。

デーリー東北新聞社

最終更新:9月3日(土)12時35分

デーリー東北新聞社