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待機児童ゼロも途中入園に難しさ 福井県、育休延ばし待つ例も

福井新聞ONLINE 9月3日(土)17時42分配信

 厚生労働省が2日に発表した待機児童数と「潜在的な待機児童」数がともにゼロだった福井県。しかし、この数字は4月1日時点のもので、年度途中で希望する保育園に入園できず、育児休業を延長せざるを得ないケースは複数ある。きょうだいが違う園に通うこともあり、課題はゼロではない。

 ■数字のからくり■

 福井市の保育園などの手続きは4月入園の場合、前年の10月中に申し込む。市は締め切り時点の希望者数を踏まえ、必要な保育士数を配置している。本年度は希望者約1500人(認定こども園含む)全員が入園できたという。4月1日時点の待機児童と「潜在的な待機児童」のゼロは、こうした背景があると考えられる。

 しかし年度途中の入園は厳しいのが現状だ。2013年10月に長女を出産した同市の看護師の女性(32)は1年間育児休業を取った。「保育園は家の近くがいいけど、職場に行く途中の園でもいいか」と思い、近所の4園に電話で問い合わせたが、どこもいっぱい。結局は途中入園はできず育休を半年延ばし、4月の入園になった。ある行政担当者は「数字のカウントが年度途中であれば、ゼロにならない可能性がある」と指摘する。

 ■「現実は違う」■

 今年2月に職場復帰した同市下江守町の会社員の女性(29)は、友人らから途中入園が難しいと耳にし、出産前から園を調べていたが、近所や通勤途中の希望の園には入園できなかった。「待機児童ゼロというと、あたかも全員不自由なく保育園に入れる感じがするが、現実は違う。『保育園落ちた』というブログの書き込みがあったが、気持ちは分かる」

 市によると、15年4月から16年2月の間に相談を受けた途中入園希望者102人のうち、50人が入園に至らなかった。市子育て支援室の担当者は「年度途中の需要を見越して保育士を確保するのは難しく、ニーズがあってもタイミング良く受け入れはできない」と話す。

 ■すぐいっぱいに■

 他の自治体でも状況は似ており、坂井市子育て支援課の担当者は「春江や丸岡など福井市寄りの園はすぐいっぱいになる」とし、途中入園も含めて希望時期の前年度の11月に申し込みを受け付けて対応。それでも、きょうだいで違う園に入らざるを得ないケースがあるという。

 保育園に関する相談を受け付けているふくい女性活躍支援センターの五十嵐元子さんは「住居と職場がある自治体が違う場合、自宅近くの園がいっぱいで、職場がある自治体の園を探す人もいる」と指摘。「本当の待機児童ゼロを目指すなら、自治体が枠を超えて連携しないといけない」とする。待機児童問題に取り組む鈴木正樹・福井市議も「東京などの都市部に比べたら深刻な状況ではないが、一人一人のケースをみれば解決すべき問題は多い」と訴える。

福井新聞社

最終更新:9月3日(土)17時42分

福井新聞ONLINE