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川口の乳児死亡で両親「実態知っていたらこの保育所を選ばなかった」

埼玉新聞 9/3(土) 10:30配信

 2015年9月、埼玉県川口市内の無認可保育所で生後4カ月の男児陽向(ひなた)ちゃんが死亡した事故で、弁護士や医師らで構成する「市保育所等事故検証委員会」(岩谷彰委員長)の第3回会議が8月31日、市役所であり、両親からヒアリングを行った。両親は息子を亡くした悲しみを切々と訴え、再発防止策を求める意見陳述書を提出。父親(34)は「死亡事故後、この保育所が市の改善指導を再三、受けていたことを知った。もし事前に分かっていたら、この保育所を選ばなかった」と情報公開の徹底を訴えた。

 陽向ちゃんは15年9月1日午前11時ごろ、姉(1歳10カ月)とともにこの保育所に預けられた。母親が就職の面接に行くため、午前11時から午後1時までの約束だった。陽向ちゃんは、預けられてから約1時間後の午後零時16分ごろ、うつぶせで心肺停止状態で見つかり、保育所側が119番通報。病院に搬送されたが死亡が確認された。

 ヒアリングは非公開で行われ、終了後、両親が取材に応じた。父親は陽向ちゃんが泣いていた後にうつぶせで死亡したとされることについて「保育の仕事は子どもを見守り、泣いていたら抱き上げてあやすなど、子どもに優しく寄り添うのが一番大事だと思う。しかし、保育士たちは食器の洗い仕事の方を優先した。うちの子は泣くことしかできなかった」と悔しい思いを語った。

 母親は「1回ではなく、何回でも私たちの声を聴いてほしい」と訴えた。

 両親が今年5月、市に対し事故の発生状況を明らかにしてほしいと、第三者による検証委の設置と、再発防止に向け検証結果を国へ報告することを求める申し入れ書を提出。これを受けて市が7月に検証委を立ち上げた。

 検証委は今後、10月に事故原因、11月に再発防止策について話し合いを行い、来年1月には報告書をまとめる予定。

最終更新:9/3(土) 10:30

埼玉新聞