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【誰かに教えたくなる話】江戸時代の「輪廻転生」有名エピソード

TOKYO FM+ 9/3(土) 12:00配信

輪廻転生を信じますか?
死後の世界と共に、昔から信じられているのが「生まれ変わり」。
実は江戸時代には、一つの有名な輪廻転生のエピソードが残っています。

江戸後期。
現在の八王子市にあたる「中野村」という村に、「小谷田勝五郎(こやた・かつごろう)」という8歳の少年が住んでいました。
ある日勝五郎は6歳上の姉に、こんな質問をします。
「お姉ちゃんは、今の家に生まれ変わる前は、どこの家の子どもだったんだい?」

もちろん「そんなことは知らない」と答える姉。
すると勝五郎はこんな風に言うのです。
「僕の本当の名前は藤蔵(とうぞう)という。
僕は昔、程久保(ほどくぼ)村という場所に住んでいたんだ。
でもお父さんは僕が生まれてすぐに死んじゃったし、僕も5歳で死んじゃった。
だから、この家のお母さんのお腹の中に入って、またこの世に生まれてきたんだ。」

この出来事をきっかけに、勝五郎は次々と前世の話、死後の世界はどうなっているのかを語り始めます。
村の人々は最初は半信半疑でしたが、あまりにリアルな話しぶりに、一度、程久保村を調べてみようとのことに。
するとその場所は勝五郎が話すとおりの場所で、さらに少し前に5歳で亡くなった藤蔵という少年がいたことがわかったのです。

この驚きの事実は村を越え人々に広がり、勝五郎の家には、多くの見物人が押し寄せました。
そして国学者・平田篤胤(ひらたあつたね)もこれを聞きつけ、直接本人や家族に取材をします。
篤胤は、聞いた話を「勝五郎再生記聞」という書物にまとめ、当時の天皇と上皇にまで見せたのだそうです。

勝五郎はその後平凡な人生を送ったそうですが、彼の名前は現代まで残ることになります。
生まれ変わり、輪廻転生……。
皆さんは、信じますか?


(TOKYO FMの番組「シンクロのシティ」コーナー「トウキョウハナコマチ」。江戸から現代まで、東京の土地の歴史にまつわる数々のエピソードをご紹介しています。今回の読み物は、「生まれ変わった、勝五郎」として、2015年8月13日に放送した内容を再構成したものです)

文/岡本清香

最終更新:9/3(土) 12:00

TOKYO FM+