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「労働者の本」HP運営で国家保安法違反容疑…思想の監視、いまでも

ハンギョレ新聞 9/3(土) 20:16配信

ホームページ「労働者の本」の運営者イ・ジンヨン氏が経験した 「看板のない保安捜査隊」 70、80年代の社会科学書籍をホームページに上げたところ 国家保安法違反の疑いで明け方に家宅捜索 クラウドファイル、メッセンジャー、メールまで洗い出し 窓もない4、5坪の調査室で取り調べ

 「接触事故が起きました。出て来てください」

 先月26日午前6時、けたたましいベルの音がイ・ジンヨン氏(49)家族の目を覚まさせた。ドアを開けて出ると、警察官9人が500ページの押収捜索令状を見せた。令状にはイ氏が「反国家団体、もしくはその指令を受けた者の活動を称賛、鼓舞、宣伝、扇動した者」、「これを目的とし、表現物を所持、運搬、配布、販売または取得した者」という疑いをかけられているという物々しい言葉が記されていた。韓国鉄道公社の職員であるイ氏に突然、「国家保安法違反容疑者」という烙印が押された。

 2009年から趣味で「労働者の本」という名前のホームページを運営し、掲載した各種の掲示物が災いとなった。イ氏は1970~1980年代、大学生などが息を殺して読んだ各種の社会科学書籍を電子本にし、ホームページに掲載した。『鋼鉄書信』や『実践文学』をはじめ、今では入手が難しい本や雑誌約3700冊をまとめたものだ。インターネットポータルサイトに公開されたこのホームページに会員として加入した1500人は「ほとんどが本を通じて当時の社会像を勉強しようとする人々」だ。

 警察はイ氏の自宅から本やコンピューターハードディスク、USBなどを押収し、イ氏をバンに乗せて「どこか」へ連れて行った。しばらく走り、ソウル市新村(シンチョン)の奥まった路地に入ったバンは、梨花女子大学付属小学校前の黄色い2階建てのビルの前に停まった。固く閉ざされた黒い鉄の扉の後ろには、色あせた太極旗がはためき、建物の隣りには1970年代の街角で見たような赤い文字で「ソルロンタン」と書かれた店があった。警察はそれがソウル地方警察庁所属の保安捜査4隊だと言った。「何かちょっと薄気味悪い気持ちがしました。新村にそんな場所があるとは知りませんでした」

 警察はイ氏を1階の「取調室」に連れて行った。窓もない4、5坪の取調室は、言葉通り「密室」のようだった。机を隔ててイ氏と向かい合って座った警察官は「デジタル・フォレンジックをする」と言い、イ氏のハードディスクに対して「階級」「革命」「社会主義」などのキーワードを入力しファイルを検索した。「思想点検」も行われた。警察はイ氏がホームページに掲載した本や文書をひとつひとつ挙げ、「この本が社会主義暴力革命や体制転覆を鼓吹するためのものであることを知っていたか」「(このような内容の本を)配布した理由は何か」と質問した。「『資本論』や『労働の夜明け』のような本を挙げて社会主義暴力革命と言われたときにはあきれました。家の前の図書館にも置いてある本なのに、『誤った思想』を持つ私が所持しているから問題だ、というわけです」

 警察はイ氏が「ストライキをして懲戒を受けた」と小学校の同窓生にメッセンジャーで送った内容をはじめ、ファイル管理用サーバに載せた画像ファイル、「労働者の本」ホームページの会員に送ったメールの文言などを挙げ、利敵性を立証することに力を注いだ。「自体認知を通して捜査に着手しており、裁判所から令状を受け合法的にこのような証拠を収集した。具体的にどんな事案で捜査をしているのかは、保安捜査の特性上明かすことはできない」というのが警察の話だ。「令状の執行過程は全く分かりませんでした。警察がオンライン上の私の痕跡を逐一把握していたという事実に、一瞬身の毛がよだつ思いをしました」

 イ氏の自宅の地下室に作られた「労働者の本」作業室の壁面の本棚には、今も約3000冊の本が乱雑に収まっている。「私は社会主義を志向します。でも、それだけの理由で、どこででも入手できる本を読んで知らせる自由まで抑圧されなければならない国だということに改めて気づきました」

パン・ジュンホ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)

最終更新:9/3(土) 20:16

ハンギョレ新聞

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

うん、核融合炉を作ったよ
核融合こそ未来のエネルギー問題への答えであり、子どもにだって世界は変えられる、テイラー・ウィルソンはそう信じています。そして彼はそのどちらにも取り組んでいます。14歳の時に家のガレージで核融合炉を作り、17歳となった今、直前の依頼に応えてTEDのステージで自分の物語を(手短に)語っています。