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「北朝鮮レストラン脱北」飛行機チケット代金、国家情報院がくれた6万中国元で購入

ハンギョレ新聞 9月3日(土)7時58分配信

消息筋「第3国に行けと言われ、 マレーシア行きの飛行機チケットを買った」明かす レストラン支配人はインタビューで 「入国の事実が公表されるとは思わなかった」

 今年4月初め、異例のスピードで韓国に入国した、いわゆる「北朝鮮レストラン集団脱北」者13人が、国家情報院の要員から6万中国元(約93万円)を受け取りマレーシア行きの飛行機チケットを購入したことが明らかになった。13人は約4年間北朝鮮レストランで勤務中に知り合ったこの国家情報院要員は「第3国を経由して行く」脱出方法も教えていたことが分かった。

 2日、「北朝鮮レストラン集団脱北」関連事実に精通した消息筋と、当局などに対するハンギョレの取材結果を総合すれば、これら13人のうちKさんは最近「中国延吉のレストランで仕事をしていて親しくなった朝鮮族の紹介で知りあった“韓国の人”の斡旋で脱出できた。上海からマレーシアに行く時、飛行機のチケットはこの人がくれた6万中国元で買った。この人が『第3国に行け』と脱出の方法を教えたが、国家情報院の北朝鮮離脱住民保護センターにいる時に頻繁に訪れてきた国家情報院の職員だった」と話した。脱北者は中国の浙江省寧波の北朝鮮レストランで働く前の3年間、吉林省延吉のSレストランで仕事をしたことがある。この時、親密になった在中同胞を通じて知り合いになった国家情報院要員が脱出を多方面で手助けしたという話だ。

 Kさんは「マレーシア空港に降りて韓国大使館に入り、当日すぐに空港に移動する際にはマレーシアの特殊警察と見られる30人に護衛してもらった。(韓国の)パスポートが用意されていたし、空港で出国審査も受けずに飛行機に乗った」と説明した。他の脱北者の場合、通常2~3カ月は第3国に留まった後に入国するのとは違い、13人は異例のスピードで僅か2日で韓国に入国した。韓国政府も慣例に反して4・13総選挙を5日後に控えて13人が入国した事実を入国翌日にマスコミに緊急公開した。

 これら13人は、韓国政府が自分たちの入国事実を“公開”したことに対し反感を示した。脱北した支配人H氏(36)は、最近ハンギョレとの電話インタビューで「入国事実を公開するとは思わなかった。腹が立ったし、みすみす乗せられて来てしまったと思った」と打ち明けた。彼は「(脱北公開は)上の人の政治目的だと思う。(対北朝鮮に対する)制裁と脱北したこととは関係ないが、北にも南にも政治に勝てる人はいないのか」と問い直した。彼は「出てくる時(女性従業員に)金をたくさん稼いで家に持って帰ろうと言った」と話した。

 国家情報院は保護センターで女性従業員の人権状況点検のための面会要請を続けてきた「民主社会のための弁護士会」(民弁)に対して「従北勢力だ。悪い奴らだ」と強調していたという。H氏は「民弁は従北で悪い人だと思った。従業員たちは民弁に会えば(北朝鮮にいる)両親が死ぬと思っている」と話した。

 6月以来、何回も女性従業員に対する面会要請を拒否された国連人権最高代表事務所(傘下のソウル北朝鮮人権事務所)は、8月18日に保護センターで女性従業員らに会ったことが分かった。H氏は「拉致か脱出か、そのようなことは尋ねないとし、非公開で身辺確認のみを行うとの条件で、その内容を約束する(覚書を)それぞれが書いて短時間顔を見ただけだった聞いている」と話した。

キム・ジンチョル記者

最終更新:9月3日(土)8時0分

ハンギョレ新聞