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[インタビュー]「韓国政府の脱北公開は、上の人たちの政治のためだと思う」

ハンギョレ新聞 9/3(土) 13:22配信

脱北レストラン支配人H氏 電話  「北朝鮮制裁と脱出は関係ないのに 韓国の上の人たちはそうは考えない 従業員たちに会えなくするなら北に帰ると言う 中国政府は脱出過程を知らなかった 知っていたら空港で引っかかった筈」

「時間が経てば明らかになる…さらに大きな波紋も」
 4月初め、女性従業員12人と共に「集団脱北」した北朝鮮レストランの支配人H氏(36)は、最近ハンギョレとの電話インタビューで数回この言葉を繰り返した。「脱北」の理由と過程について具体的な内容を聞く度に繰り返した。H氏は最初の電話では「何も言うことはない」と言ったが、数回メッセンジャーでの対話をするうちに、先月末になって自分から記者に電話をかけてきた。声は多少疲れたようで不安気に聞こえた。

 彼は特に12人の女性従業員に対する強い執着を見せた。彼は従業員たちを「私の子」と呼び、一行をまとめて「家族」と表現した。「子供たちのために来たのだし、子供たちさえうまくいけば良い。私は明日死んでもかまわない」。さらに彼は「私の子供たちに会えないようにするなら北朝鮮に送り返してくれと言う」とまで話した。

-従業員には会えないのか?

「私の子供の一人が親泣かせだ。堪忍袋が切れそうだ。(残りとは連絡が取れているが)一人の子が潜伏した」

 彼ら13人は今月8日~11日に次々と国家情報院の北朝鮮離脱住民保護センター(旧合同尋問センター)を出所した。H氏が最初に出て来て、残りの女性たちは2~3人ずつ順番に出てきた。その後2週間、彼は女性従業員たちとの接触に努めたものと見られる。

-残りとは連絡が取れているのか?

「何人かは連絡できるし、どこにいるかは知っている。親泣かせの一人は待って欲しいと言う。私が(保護センターを)離れる際に、私の電話番号を(12人に)教えて出てきた」

-「潜伏」したというその人が「集団脱北」と関連があるのか?

「それについてはこれ以上話せない。話せない理由がある。時間が経てば解決問題だ」

 一人の従業員のために韓国定着計画に何らかの支障が出たと考えているように見えた。脱北過程に介入したことが明らかになった国家情報院要員と、この従業員の間に何らかのつながりがあるというニュアンスも感じられた。

 彼は「(北朝鮮から)子供たち全員を自分が募集した。韓国で言えば芸能事務所みたいなものだ。元々は22人を選んで(中国に)連れて来た。家庭の事情のために3人は送り返した」と話した。残り19人のうち、12人だけが4月初めにH氏と一緒に脱出し、残りの7人は北朝鮮に送還された。

 「国境を越えれば(私たちは)つながった鎖だ。一つでも切れたら皆死んでしまう。そんな覚悟で皆がお金をたくさん稼いで家に持って帰ろう、と言ったのに…」。潜伏した1人のために「金をたくさん稼ぐ」計画に支障が出たという意味に聞こえた。「子供たち」「私の子」について繰り返し話したH氏は「後で明らかになれば、もっと大きな波紋が広がるかも知れない」と話した。

-政府は北朝鮮レストランについて「対北朝鮮制裁」のために集団脱北したと言ったが?

「何の関係があるのか。私たちはそう(関係ないと)考えるが、(韓国の)上の方たちはそうは(対北朝鮮制裁と関連性がないとは)考えていない」

-入国の事実を異例に公開までしたが?

「ここに入って来ると公開されてしまった。私たちは公開されるとは思っていなかった。どうして私たちだけを公開するのかと思った。初めは腹が立った。今は良い意味に考えようとしている。祖国統一のために(公開)したと思う。北にも南にも政治に勝てる人はいないのでは?」

 彼は平壌(ピョンヤン)にいる自身の両親は生きていないだろうと断定した。「北朝鮮では私を主謀者と言われている、主謀者の両親を生かしておくだろうか?(北朝鮮が公開した女性従業員12人の)拉致名簿に私は抜けているではないか?生きていない可能性が100%だ」

-そう思うのに脱出した理由は?

「私たちが来る前に、どれほど泣いたか分からない。人数が多いので両親には害が及ばないと思った。全てうまくいけば良かったのに…。万一(両親が)生きているならば天が助けてくれたのだろう」

 彼らの脱出過程を中国政府は知らなかったと彼は明らかにした。「私たちのパスポート自体が合法だった。(中国政府が)知っていたら空港で引っかかっていただろう。中国の空港では北朝鮮の人がたくさん行き来している。中国を通じればどこにでも出て行けるから」

-全部で19人のうち、北朝鮮に帰った7人の女性従業員も一緒に出てこようとしたのか?

「時間が経てばすべてが明らかになる。命にかかわる問題だ」

キム・ジンチョル記者

最終更新:9/3(土) 13:22

ハンギョレ新聞

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