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鈴鹿8耐へ照準「結果出す」 沖縄出身のバイクレーサー・仲村優佑

沖縄タイムス 9月3日(土)11時25分配信

 23歳のバイクレーサー、仲村優佑(北中城高出)が若手の登竜門の排気量250ccクラスで奮闘している。今季はアジア最高峰のアジアロードレース選手権で3位、全日本ロードレース選手権へのステップアップレースとなるJP250クラスで2位と、優勝まであと一歩に迫った。「多くのサポートで乗せてもらっているので結果が必要。あとは1位だけ」とスロットルに力を込める。(小笠原大介東京通信員)

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 8月20日、エンジン音が響き渡る栃木県のサーキット。仲村の黄色いマシンが首位を猛追する。だが、惜しくも届かず2位。「予選ポール(1位)だっただけに悔しい。2位と1位では天地の差」。今季2度目の表彰台にも悔しさをにじませた。

 趣味でバイクレースをしていた父・幸之助さん(46)の影響を受け、小1でオフロードのモトクロスを始めた。11歳でミニバイク(125cc)へ転向し、「自分で操る感覚がとにかく楽しかった」とのめり込み、県内外のレースを夢中で走った。

 しかし2013年に練習場の伊計島サーキットが閉鎖。カテゴリーを250ccに上げたこともあり、活動の場を県外に求めて単身、広島へ渡った。建築塗装の仕事をしながらサーキットで腕を磨き、14年11月に全国大会で初優勝を飾ると、15年は将来のトップレーサーを輩出する育成プログラム「アジアドリームカップ」に参戦して各国を転戦とした。

 2輪レースの最高峰「Moto GP」の元選手で、当時の仲村のコーチを務めた中野真矢氏(38)は「技術の吸収が早く、テクニック、センスもある。ハードなレースを走り抜く体力と集中力がつけば楽しみな選手」と一目置く。

 レースカテゴリーで250ccは最少の排気量だが、マシンの最高速度は180キロ以上にも達する。ライディング技術はもちろん、タイヤ選択やマシンのセッティングのわずかな狂いが順位に影響するシビアな世界だ。仲村は「転倒の怖さはない。成長は感じるがまだまだ」と貪欲だ。今季から所属するアケノレーシングの稲垣誠監督(40)は「こいつしかいないと思い、声を掛けた。まずは1勝。将来は排気量を上げて鈴鹿8耐にも出てもらいたい」と期待を寄せる。

 現在は拠点を沖縄市に移し、バイク店を営む父の仕事を手伝いながら、遠征費を捻出する日々。レース環境がない沖縄では筋トレや自転車での体力づくりと、練習内容は限られる。「いつの日か下の世代が育つ頃に環境が整ってくれれば。そのために自分は来年につながる走りをしたい」と今季後半レースでの健闘を誓った。

 なかむら・ゆうすけ 1993年宜野湾市生まれ。父親の影響で小1からバイクレースを始める。モトクロス、ミニバイクを経て2014年に250ccに転向。DUNLOP杯グランドチャンピオンシップ2014で全国優勝。16年からアケノレーシング(三重)に所属し、8月のアジアロードレース選手権第4戦(インドネシア)AP250クラス3位、MFJカップ第4戦もてぎ大会で2位入賞。2輪の国際ライセンス取得。搭乗車はYAMAHA YZF-R25。

最終更新:9月3日(土)11時25分

沖縄タイムス